焔の精霊-4
「好きなクセに」
「ふぁっ……」
耳を舐めるピチャピチャという音に益々恥ずかしくなる。
「っやめ……ぅんっ」
アースの手がさわさわと背中を撫で始め、キャラはピクリと反応する。
「発情した?」
そんなの頬に触られた時からしている……など、絶対言わない……言えるわけがない。
「やめろって……は…ぁ…し…仕事…んぅ」
アースは抵抗するキャラの顎をすくい上げるとそっと唇を重ねる。
それだけで背筋に電気が走ってしまい頭が真っ白になる。
「んっ…んぅん…」
そっと割り込む舌を迎え入れるとアースは口角をあげて微かに笑う。
「ん…はぁ……」
アースが唇を離すと名残惜しそうに少し追いかけてくるので、もう一度軽く音をたててキスする。
「シたくなったろ?」
耳元で囁かれてぼんやりしていた頭が徐々にクリアになる。
「ダメだ…仕事しなきゃ…」
「お前の仕事は期限ねぇじゃん。俺は今日の講義終わったし〜」
首筋に顔をうずめて擦りつきながら話すのでかなりこそばゆい。
「っ……」
「それにここんとこ残業続きで帰ってねぇじゃん?早くヤらないと死にそう」
ここ3日程、溜め込んでいた事務処理に追われて学校で寝泊まりしていた。
「自分が悪いんじゃん」
「そう言うなよ。今日は久々に飯作ってやれるし?早めのご褒美くれたっていいじゃねぇか」
「う……」
アースの作るご飯は絶品なのだ。
「うぅ…食べ物に釣られるってどうよ?」
「お前のそういう所が好きだぜぇ?」
真っ赤になったキャラを見てアースは喉で笑いながら唇を落としてくる。
「ってか、ここでか?!」
今からするであろう行為に今更抵抗する気は無いのだが、場所は学校内だ。
「スリルがあってたまにゃいいぞ。あ、でも声は出すなよ」
唇が付くか付かないかの距離でニヤリと笑い、そのまま距離を0にする。