焔の精霊-19
「でも、今日エンさんと話してて、もしかしたら本気なのかもしれないなって……」
「……会った時から俺は大真面目だ」
「うん。今日わかった。だから、オレもハッキリさせといた方がいいと思ってさ」
アースはそらしていた目をキャラに戻した。
「実は隠してるでっかい秘密が1つある」
しっかりと視線を合わせたままキャラは話す。
「けど、オレからは言いたくないし、出来ればバレたくも無い」
「……言えよ」
「言いたくないって言っただろ。無理やり聞くつもりならオレはここから出て行く」
それぐらい重大な秘密が気にならないわけじゃないが……
「わかった。お前が話す気になったらでいい」
ため息をついたアースは引く事にした。
「ありがとう」
キャラもため息をついてホッとする。
「他には?」
アースは食事の終わった皿を重ねて片付けながら先を促す。
大きく深呼吸したキャラはハッキリと胸の内を告げる。
「オレはあんたが…アースが好きだよ」
まさかそんな事を言われるとは思って無かったアースはガチャガチャと皿を踊らせた。
「え?」
そして、思わず聞き返してしまう。
「アースが好き……目だけじゃなくて、全部」
今まで言えなかった。
言ってしまったら重荷になって、側に居られなくなるかもしれないと思っていたから。
「……顔、赤いよ」
キャラは思わずプッと吹き出す。
なぜならアースが真っ赤な顔で固まっていたからだ。
「うっわ……結構照れるもんだな……」
片手で口を塞いで照れ隠しに横を向く。
「ふふ…あんたのそんな顔初めて見た。可愛いな」
食事を終わらせたキャラは食器をさげながらからかう。
いつもと立場が逆転してしまい悔しい思いをしたアースは、横を通り過ぎようとしたキャラの手から食器を取り上げた。
何事かと見上げるキャラを見つめる。