異界幻想ゼヴ・ラショルト-14
「おう、そんなにいいか……俺も捨てたもんじゃねえな」
深花の体がクゥエルダイドの動きに合わせて動いており、彼は低い声で笑った。
「勝手に腰振ってやがるしな。しかし、本気でエロいなぁ……堪んねえ」
ピストンのスピードを緩めると、クゥエルダイドは体の位置を変えた。
深花の腰を折らせ、結合部を思い切り見せ付けるようにする。
「どうだ、見えんだろ?」
その言葉に、深花の目は己の股間へと走る。
赤く熟した秘部は限界まで広がり、男の引き締まった下半身にそびえ立つ肉棒を全て飲み込んでいく。
「お前、いい具合だぜぇ……」
ぐっと顔を近づけ、クゥエルダイドは深花と唇を重ねた。
「んぅ」
ゆっくり蜜壺を掻き混ぜながら、熱いキスを交わす。
「そろそろ俺も、イかせてもらおうか」
「ん……」
クゥエルダイドの二の腕に、深花の手が添えられる。
「……イクぜ」
一言囁くと、クゥエルダイドは激しく腰を使い始めた。
太股がぶつかり合う音と吐息、嬌声と水音が混じり合う。
「っ……ぉお……!」
脳天から腰に向けて、絶頂のパルスが走る。
一声呻いたクゥエルダイドは、最奥で肉棒を弾けさせた。
「ああっ……!」
子宮に向かって、子種が溢れ出る。
「っはあ……!」
クゥエルダイドは、満足のため息を漏らした。
ずるり、と欲望を吐き出した勃起を抜き去る。
一拍置いて、白濁した液体が溢れてきた。
「あ〜……妊娠すっかもなぁ。孕んだらどうする?お前」
最高位の人間にもたらされる制限の事を知らないクゥエルダイドは、そう言って深花の頬を軽く叩いた。
意識を半ば手放しているようで、深花はぴくりとも反応しない。
「とりあえず休憩すっか……よかったぜ、曹長」
「見つかったか!?」
「いや、そっちは?」
「いないわ」
苛立たしげに、ジュリアスは首の宝石を掴んだ。
思考を深花に向けて送るが、応答はない。
「くそっ!」
もはやこの周辺にはいない可能性もあり、三人の……特にジュリアスの苛立ちは募るばかりだ。
深花が助けを求めているのに、その手を掴んでやる事ができない。
基地を囲む壁はおいそれと乗り越えられないほど高く、深花と誰かが外へ抜け出した可能性は限りなく低い。
しかし敷地そのものがだだっ広く、今回のようにどこかへ潜伏されると捜すのは非常に困難だ。
「とにかくもう一度……フラウ?」
ティトーは、フラウが一点を注視しているのに気づいた。
視線をたどると……近くにある建物の裏手から、かすかな煙がたなびいている。
床下……というより、半地下の物置か何かだろう。
ティトーは唇に指を当てて二人に警告すると、そこへ忍び寄った。
自分の影に気をつけながら、身をかがめて聞き耳を立てる。
たなびく紫煙が鼻腔に侵入し、ティトーは噎せそうになった。
甘く淫靡な匂いは今だかつて嗅いだ事がなく、何となく胸をざわつかせる。
その匂いに混じって、人が交わっている時独特の濃い匂いが流れ出していた。
そして、ティトー自身が何度も耳にしている甘い声。
「あっ……うぅ……いい……っ!」
「俺もいいぞ……ぅあ……おおお!」
「ぁあうう……!」
「っは……もう何回種付けしたかなぁ。そろそろからっけつだってのに、まだイケるぜぇ……おいお前も、まだイケるだろ?」
ティトーは、瞬時に状況を悟った。
どうやら、手遅れだったらしい。