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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第3部 ご主人様への飛翔-9

9.SMへの羽化

やはり、SM道具が入っていました。
何本ものロープ、首輪、猿轡、バイブやローター、いろいろな鞭、その他のSM道具が、きちんと整理されて入っていました。

嬉しい!
私は、心からそう思いました。
だって、前夜に見た夢ではママが、裸で縛られた姿を私に見られても全然イヤそうじゃなかったし、スーツケースの鍵のありかに思い当ったとき、パパが「そうだよ」っていうようにウインクしてくれたようだったから、パパとママがスーツケースも鍵も、私が見つけ出すように導いてくれたとしか、思えなかったからです。

SM道具の一つ一つをそっと取り出して手にとり、胸や頬に当てたりしてみました。
パパとママはどんな気持でSMをしていたかを、想像してみました。
パパとママがしたSMは、ご主人様がいってくださった信愛に基づくSMだったのに違いない、と思いました。
それって、どんなものなんだろうと、私は考えました。

以前パッチテストで試してみたことがありましたけど、私は明らかにMのようでした。
パパとママはそのときも天国から私を見てくれていたはずですが、そのときはまだ早いと思ったようで導いてくれませんでした。
でも、ご主人様に助けていただいて悲しみの扉を開けた今は、もうそろそろいいかなと思って、スーツケースや鍵に導いてくれたのではないか?
私には、そうとしか思えなかったのです。

ここまで導いてもらったのだから、パパとママがしていた信愛のSMがどんなものかは、私自身が私なりに考えるしかありません。
その答えを導く材料は、ここにあるSM道具と、大事件の2日前の夜私が目撃した光景しかありません。
私は、自分の部屋に戻って考えることにして、首輪を一つだけ持って帰りました。
そして、服を着たまま首輪を首につけてみて、その上で考えてみました。

裸で縛られておチンチンをおしゃぶりするのは、女性にとってすごく屈辱的なことに思えます。
それでもあんなに嬉しそうにしていたのは、ママがよほどおしゃぶりするのが好きだったからでしょうか?
いいえ、そんなことは考えられません。
それだったら、翌日まであんなに嬉しそうにしてはいなかったように思えます。
それに、ママは十分自己抑制のできる人でしたので、肉欲にだけ溺れ切ることはまずありません。

それでは、ママはMでしたから、屈辱的なことをすることで支配されているという快感に酔っていたのでしょうか?
なるほど、それはある程度あったかもしれません。
でも、それは決定的なものではなかったと思えました。
なぜなら、そのことだけだったら、それは結局ママだけの都合だからです。
もっと、パパと心を通わすものであったからこそ、ママはあんなにも幸せな顔をしていたと思いました。

それじゃあ、いったいそれは何?
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は、考えが行き詰ってしまいました。
そこで私は、ママと同じ格好をして考えるほかないと思い、部屋の明かりを消し着ているものを脱いで、全裸になりました。
もちろん首輪はつけたままで、正座して後ろ手に縛られる代わりに、両手を背中に回して手首を重ねました。

こうしてあの時のままの格好をしてみると、ママはまったく無防備な姿勢だったんだなとよくわかりました。
 ・・・ ママ、教えて!あの時、どうしてあんなに幸せそうな顔をしていたの?・・・
私は目を閉じて、そう念じました。
 ・・・ パパ、あの時みたいに、おチンチンを私の目の前に出して立ってみて!・・・
そう念じると、パパのおチンチンが、目の前にあるように思えました。


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