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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第3部 ご主人様への飛翔-2

2.ため口

家族との間に設けていたバリアがなくなっているのに気づいた私は、どうしてもやりたいことができました。
それは親しい友だちである美月さんと、ため口で話すことです。

前に書きましたが美月さんとは私は、ずっと美月さんはため口なのに私は敬語で話すという、はたから見れば先輩と後輩であるかのような口のきき方を してきました。
他の同級生は皆、頑なに敬語で話す私とは距離を置いていましたが、どういうわけか美月さんだけは近づいてきてくれ、同級生でただ1人の仲良しになってくれました。

そして、
「麗、ため口と敬語で話していても、私たちは友だちだよ。
でも、いつか友だちにため口で話せるようになったら、そのときは真っ先に私と話してね」
と、いってくれていました。
だから、心のバリアがなくなったと感じている今、そのときが来たと思ったのです。

その日の朝、駅から学校へ向かう途中、私は少し先を歩いている美月さんを見つけました。
そして、走って行って追いついて横に並び、
「美月、お早う」
と声をかけました。

「あ、麗、お早う。・・・・・・ん、今、何といったの?」
「うふっ、『美月、お早う』って、いったよ」
私は、ニコニコして答えました。
「麗っ!」
美月さんいや美月は、いきなり抱きついてきました。

「5年、5年近く待ってたんだよ。麗がいつかきっと、そう呼んでくれると信じて・・・」
美月は、涙声になっていました。
「美月、ごめんね!前からそうしたいと思っていたんだけど、なかなかできなかったの。でも、もうため口で話せるようになったから・・・、だから今、
美月に最初に話したの・・・」
私も涙声になっていました。

同じ学校の子がジロジロ見ながら横を通り過ぎるので、私たちは身体を離して歩き始めました。
歩きながら私は美月に、大事件のことを詳しく話し、その後遺症で人と打ち解けられなくなってしまい、それが昨夜パパとママが夢に出てきてくれたおかげで、一気に解消してしまったと話しました。

「わかるよ。突然そんなことになっちゃたら、心を閉ざしたくもなるよ。
でも、よかったねえ。パパとママが夢に出てきて、閉ざしていた心を開放してくれて・・・!
本当にそんな夢みたいなことがあるんだねえ!」
美月はそういってくれました。

パパとママが夢に出てきて、私の心を開放してくれたというのは嘘といえば嘘ですけど、ご主人様のお蔭で私の心の中に戻ってきてくれたことでそうなったのですから、半分は本当のことだともいえます。
でも、あっさりそれを信じてくれた美月に、私は申し訳ない気持になりました。

「ホントにごめんね。もっと早く心を開放しなくてはいけなかったのに、いつまでもぐずぐずしていて・・・、私、すごく自分勝手だったなあって、反省し
てるの」
私が頭を下げてそういうと、美月は
「何いってるの。そんなことない!麗は自分勝手じゃないよ!」
と、いいました。




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