第2部 SM観の大転換-6
6.東京タワーの電球交換人
突然ですが、一見関係がなさそうなお話をさせていただきます。
実は、おおいに関係があるのですけど・・・。
東京タワーを、ご存じでない方はいないと思います。
地上333mの高さのテレビなどの電波を出している鉄塔で、東京のシンボルになっていますよね。
近く、もっと高い別のテレビ用の鉄塔が立つようですが・・・。
さてそのてっぺん近くにも電球がいくつもついていて、夜空にタワーを浮き上がらせているのは、ご存じの通りです。
ここからは、ご主人様に教えていただいた話です。
その電球なんですが、今はどうかわかりませんが少なくとも以前は、時々交換されていたようです。
電球を交換するには、当然人がそこまで登っていって作業しなければなりません。
沢木耕太郎というノンフィクション作家が、その電球交換の仕事をしている人の話を新聞に書いていたそうです。
作業は請け負っている会社の作業員が2,3人で登って行っておこなうのですが、なにしろ地上300mの高さの鉄塔に登っての作業ですから風などで揺れたりもするので、時には馴れない作業員が高い所に登ったまま身動きできなく
なってしまうこともあります。
そんなとき、一緒に登っている作業の責任者の人はどうするでしょうか?
背負って下りるなんてことは、とてもできそうにありませんよね。
さあ、どうしたらいいのでしょう?
答えは簡単です。
そんなときは、身動きできない人の側まで行ってついてくるようにいい、先になって少しずつゆっくりと下りていくのだそうです。
そうすると、身動きできなかった人も、その人についてゆっくり下りていけるというのです。
ご主人様は、この話すごく気に入っていらして、読んで以来ずっと記憶に残っているとおっしゃっていました。
で、それが何なの?と思われましたか?
それは、ごもっともです。
次を読んでいただければ、なぜこの話をはさんだかが、わかっていただけるはずです。