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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第2部 SM観の大転換-10

10.初対面のパフォーマンス

一夜明けて、その日が来ました。
私は、カバンの他に着替えの服を紙袋に詰めて、家を出ました。
そして駅に着くと、コインロッカーにその紙袋を入れて、電車に乗って登校しました。
教室は昨日の沈鬱な雰囲気はまだ残っていて、バレンタインデーなのにいつもの年のような賑々しさはありませんでした。

私は家で用事があるからと嘘をつき、午前の授業が終わると早退して学校を出ました。
そして、朝乗った駅まで戻ってくると、コインロッカーから紙袋を出してトイレでその服に着替え、着ていた服を紙袋に入れ、カバンと一緒にまたコインロッカーに入れました。

それから、また電車に乗って、待ち合わせの駅に向かいました。
待ち合わせの場所は、駅の改札口ではなく、駅と同じビルにある書店です。
その書店は、改札口を出て1,2分のところにあるので、すぐにわかりました。
約束の時刻より10分ほど前に、書店に着きました。

書店に入って、指定されたコーナーに向かいます。
そこに、50歳くらいの男の人が立ち読みをしているのが、見えました。
中肉中背で、眼鏡をかけていて、知的な感じの人でした。
左手に、紙袋をもっています。
そして、その紙袋には、「ゴットフリート」と大きくマジックで書かれた紙がついていたのです。

この人がご主人様(この時点では、まだ「Σさん」だったのですが、今はどう
してもこう書きたいのです)にちがいありません。
私は、すごく嬉しくなりました。
小走りで駆け寄って、
「こんにちは、麗です」
といって、お辞儀をしました。

「やあ、麗さん、こんにちは」
ご主人さまは、そういって頭を下げてから、
「どう?目印は気に入ってもらえたかな?」
といって、にっこりされました。
「はい、とっても」
私も、自然に笑顔なりました。
「そうか、とってもか?それじゃあ、もうとってもいいよね?」
ご主人様は、目印の紙を指差して、ニコニコしながらおっしゃいました。
「はい」
私は、クスクス笑いながら、うなずきました。

こんなご主人様のパフォーマンスのお蔭で、初対面の緊張などは完全に吹き飛んでしまいました。
それからご主人様は、別のビルの高い階にある喫茶店に連れていってくださいました。
そこは証明がちょっと暗めの落ち着いた雰囲気の喫茶店で、私たちは奥まった
ところの丸いテーブルの席に座りました。




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