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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒の魔導師-1

 この世界では、魔力を持って産まれてくる人種は非常に少ないが、ここ、ゼビアの国は魔法使いを多く排出する国だった。
 ゼビアの方も魔法使い達をバックアップするため国内に魔法学校を設立し、基礎を学ばせたりレベルアップのサポートをしたりしている。

 基本的には掲示板に貼りだしてある予定を確認し受講する形だが、個人授業も受け付けている。

 スケジュールを確認しに来た、黒髪の魔導師は沢山の人だかりの後ろから黒い目を細めて掲示板を見る。
 前例の方にいた、赤い髪をツンツン立てた青年がそれに気づき、手を挙げて声をかけてきた。

「アース!」

「お、エン。俺の予定なんか入ってるか?」

 後ろからじゃ見えん、とアースと呼ばれた魔導師は言う。

「えっと…明日は無いよ〜それより、学長が呼んでた。何したのさ?」

 エンと呼ばれた青年が伝えるとアースは眉をしかめた。

「いや…何もしてない…と思うが…」

 思い当たる事がひとつある。
 アースはため息をつくとエンに別れを告げ、学長室へと足を向けた。


 アースが学長室の扉をノックしようと腕をあげた時、突然扉が内側に開き、腕をとられて引っ張り込まれる。

「うおっ……」

 驚いて文句を言おうとした口を、引っ張りこんだ人物に唇で塞がれた。

(やっぱり……)

 文句を言うのを諦めたアースは、唇を塞いでいる人物の腰を抱き寄せて、舌を絡ませながら応える。

「んふっ…」

 アースの反応に嬉しそうに笑う人物は、蜂蜜色の長い髪を揺らして唇を離す。

「…欲求不満か?学長?…」

 くすりと笑うアースに、紫色の瞳で軽く睨んだ人物は答える。

「こういう時はリンって呼んでちょうだい」

 学長、リンは体を離してアースの手を引くと、応接用のソファーに座らせてその上に跨り、妖しい表情でペロリと自分の唇を舐めると再びアースの口を貪る。
 くちゅくちゅと舌を絡め合いながらアースはリンの服のボタンを外す。
 落ち着いて見ればリンは大きめのシャツを1枚着ているだけだった。
 素肌の背中や脇腹に手を這わして、感触を楽しむアースの服はリンが手際良くはだけさせていく。

「っふ…」

 リンの手がソコに触れた時、思わず腰を引いてしまったアースの耳にリンは囁く。


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