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続・せみしぐれ〜color〜
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続・せみしぐれ〜color〜(前編)-5

「…ふん〜っ!ち、千波、千波…!き、気持ちいいよぅ…あぁっ、出ちゃうっ、僕、イっちゃうよぉぉ!」
「はぁ…ぁん、あ、ぁぁ…わ、私も…イキっそ…!」
「わあぁ、ダ、ダメだぁ…!我慢…できないよぅ…!――あぁ…イクぅ!出る、出る、出ちゃうぅぅっ…マ、ママーっ!」
「――えっ…?」
――びゅる…っ
「あっ!はあぁぁぁ…ん」
「おぉぉ…ぅぅっ!」

熱い迸りが、子宮に叩きつけられるようだった。
小刻みに震えながら、止まらない大量の精液に恍惚の笑みを浮かべる夫。
――でも。
聞いてしまった。
絶頂の瞬間、この人が叫んだ『ママ』という言葉を。
見てしまった。
私を抱きながら、私を見ていないその瞳を。
…そうして始まった、私の生き地獄。

あれから2ヶ月が過ぎて、夫の行動は更にエスカレートの一途を辿っていた。
今日のように、夫の帰宅時に私が不在だと怒り狂うのは日常茶飯事。
ひどいときは、突然テレビを見ていて不機嫌になり、殴る蹴るを繰り返した。
興奮して、自らの衣服も私の衣服も破りながら暴れ、日に日に増えていく身体中の痣。
全身を襲う痛みで、眠れない日が続く。
また、最近はますます狂気の片鱗を見せることが多くなり、煙草の火を…私に押し当てることもあった。
でも、人間なんて不思議なもので。
ほとんど外の世界とは隔絶された、夫と2人きりの日常の中、私はいつしか、この異常で倒錯した行為こそが、夫の愛情なのだと考えるようになってしまっていたのだ。
夫が理不尽な怒りをまき散らす時も、怒らせることをしたのだと自分を責めて。
そして。
私の心と身体は…壊れた。

でも、それが全ての始まりだった。
色を亡くした私の日常を、再び鮮やかなカラーで染めあげてくれた少年。
2人の時計の針が、もう少しで重なろうとしていた。
(後編に続く)


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