第1部 ご主人様との出会い -19
17..悲しみの噴出
さあ、私は免罪符を喪失した悲しみに打ちひしがれ、ずっと封印してきたパンドラの箱を開けてしまいました。
箱の中には、免罪符の喪失などまったく問題にならないほどの、大きな悲しみが詰まっています。
大好きで、大好きでたまらない、パパと、ママと、プルルンを一挙に失ってしまった悲しみが・・・。
そして、そのとき私は、免罪符も失い、絶望の淵に立っていました。
そんなときにこそ、そばにいてほしい、大好きで大好きな、パパも、ママも、プルルンも・・・、そして大好きなおばあちゃんも、遠い遠いところに行ってしまっていません。
「パパ、ママ、プルルン、どうして麗を置いて行ってしまったの?」
大事件のとき、出てきそうだったのに、あまりにも悲しみが大きすぎたので、その後ずっと封印していた言葉が、ついに、出てきてしましました。
こうなれば、今の両親をはじめとする私の身の回りにいる大人たちが、私がそう思うことをもっとも怖れていた言葉が、出てくるのは必然のことです。
「私も、パパやママやプルルンのところに行きたい!」
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この時初めて、私は死にたいと思いました。
ずっとずっと前にそう思っても、何も不思議はなかったのに、どうして、どうして、・・・?
もう、あのときのほんとの気持を叫ばずには、いられない!
あのとき、本当はいいたかったけど、声が出なくなっていえなかったこと・・・
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どうして?どうして?私だけ、置いていかれちゃったの?
おばあちゃんは脚が悪かったので、いつもお留守番だったけど・・・
車でお出かけするときは、いつもいつも、パパとママとプルルンと私が、必ず一緒だった。
なのに、なのに、どうして麗だけ置いていっちゃたの?
麗を1人にしないでよ。迎えに来てよ。
麗も行きたーい!
パパもママもプルルンもおばあちゃんも、大好きなみーんながいるところに・・・
麗も行きたーーい!行きたいよーー!連れて行ってよーーっ!
麗もパパやママやプルルンみたいに、死にたーーい!
もう、生きてなんか、いたくなーーい!
1人部屋で泣きながら、私は心の中で、そう叫んでいました。