春の夜の夢-6
眩しさに目を覚ますと、もう朝だった。
隣を見ると布団の中で美緒が丸まって寝ていた。
美緒も、そして俺も服をちゃんと着ている。昨日の夢は凄かったな…
夢の中とは言え、激しく交わった仲だ。美緒がいつもより愛しくてたまらない。
静かに、髪の毛に唇を押し当ててみる。
「―んっ。」
美緒がうっすら目を開け、丸まっていた背中をぐっと伸ばす。
まったく、俺のベッドの中で朝を迎えるのは何度目だか。
「おはよ。ホットミルク飲むか?」
「…うん、ありがと。」
美緒は布団の中、目をこすりながら答える。
下へ行き、台所でミルクをレンジに入れ、いつものようにあたためボタンを押す。
ウィーン、とマグカップが回転しだす。
「昨日は猫の鳴き声がうるさかったわねぇ。」
洗濯物を干す母さんが庭から声をかけてきて、ドキリとする。
「まぁ、猫もそうゆう時期なんだろ」
「猫も、って」
母さんはあらあら、という風に笑う。
マグカップを持って部屋に戻り、美緒に差し出す。
ずずっ、
「熱っ…」
美緒がぴくんと跳ねたため、ミルクが少しこぼれて手にかかる。
今までは普通に飲んでいたクセに、なんだよ今さら…
「私、猫舌なの…」
そう言うと美緒は、手にかかったミルクを舐め始めた。
赤い舌がチロチロと蠢くのを、目をそらせずに見ている。
昨日のことを思い出して、俺はアソコが頭をもたげ始めるのを感じた。