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春の夜の夢
【その他 官能小説】

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春の夜の夢-3

――――――


「―ハッ!!!!」

もうやだ。

怖い夢を見るのはこれで何日目だろう

ここ最近は、ほぼ毎日と言っていいほど夜中に目が覚める。

暗い部屋に一人でいるのが怖くなって、毎夜のように涼に会いにいく。

睡眠を邪魔され、うだうだ言いながらも涼はあたためたミルクをくれる。

日に日に男らしくなっていく涼が好きでたまらない。そんな涼に甘えたい心理が、怖い夢を見させるのかな?

今日もいつものように、窓を開けて家の隙間をまたぐ。今日は満月だな…合間から見えた大きな月を見ていると、ふと視線を感じて路地に目をやる。

ミャー。

前にも見た黒猫だ。美しい毛並みが月明かりに照らされて黒々と艶やかである。

猫は口元だけでミャーと鳴くが、目はこちらをずっと見据えている。

黄色に黒い切れ込みが走ったような、独特な目。

ミャー。

その鋭い眼差しから、なぜだかずっと目をそらせずにいた。


――――――

その日、俺は熱にうなされていた。

やがて春になる。季節の変わり目には必ず風邪を引いてしまう。

10時にはベッドに入って寝る準備をしたが、今日もあいつが怖い夢を見るかもしれないと思って重い体引きずり鍵を開ける。

咳はないから、風邪はうつらないだろう。

そして俺はいつの間にか寝ていた。



ひんやりとした風が頬をなで、目を覚ます。

―窓、開いてる。美緒か?

体を起こそうとすると、美緒が俺の腰あたりに跨っているのがわかった。

美緒は何も言わず、唇を重ねてきた。しっとりと濡れた、柔らかな唇。


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