動き出す時間-5
「…まぁ、そうゆうことだから。」
カップに目線を落としながら、静かに答える。
「…よかった!!!!」
ガバッ!
私は布団の中から抜け出し、先生に抱きつく。
「…朝からヤるほど若くないぞ、俺は。」
「へっ?…きゃあっ!!」
下を見下ろすと、私は素っ裸の状態で、先生の顔に胸を押し当てていた。急いで布団に潜りこむ。
布団の隙間から覗くと、また先生は笑いながらコーヒーを飲んでいた。
…夢じゃないんだ。本当に私、先生と公式な仲に…!
それに、さっき体を見た時、胸やお腹、太もものいたる所にキスマークがつけられていた。先生が肌に刻んでくれた、私への気持ち…
「…せんせ、咲希って呼んで…?」
「………咲希。」
言い終えた瞬間、先生の顔は、ボンって音が鳴りそうなくらい真っ赤になった。そしてそのままベッドから立ち上がり、どこかに逃げようと歩きだす。
か、可愛いーっっ!!!!
私はすかさずベッドから抜け出し先生を追いかける。
「せんせっ♪もっかい言って?」
「いやだ。」
「ねぇお願い!!咲希、って言ってよ♪」
「うるせぇな、ってかまずは服を着ろ。」
私は負けず嫌いですから。先生の前に回り込んで、グーにした手を先生の胸にぽふぽふしながら上目遣いでせがむ。先生は、コーヒーをこぼさないように、ばんざいのポーズをしている。
「お前はなぁ―まったく。」
「きゃあっ!!」
「大人をからかうな。」
先生は観念したように(?)ソファに私を押し倒して、覆い被さる。せっかくお風呂に入ったばかりなのに、再び肌を汗で濡らすこととなってしまったようだ。
「あんっ、せんせ…もう私を放さないでね…」
今日から私と先生の、新しい日々が始まる。