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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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ルラフェン編 その一 フローラ-1

ルラフェン編 その一 フローラ

 ポートセルミ西の街、ルラフェン。月が一番近づくとされ、満月を模して作られた黄身餡の団子、ルラムーンはここの銘菓だ。
 かつてはルラムーン草と呼ばれる不思議な魔力を秘めた草の生産をしていたが、神話の時代が神話となってからは、取引が禁止されるようになった。もともと生育の難しい草であり、またポートセルミ港の発達に合わせて栽培の容易なよりお金に結びつきやすい野菜の生産へとシフトしていったのだ。
 もっとも、それらはルラムーン草を必要とする、ある魔法を封印する必要があったから。それを知るのは、ごく一部の富豪や王族、領主とされる者だけだった……。

 激しい雨に曝されながら宿へと駆け込む一人と一匹と一翼。一匹はその容貌から雨を凌げる馬屋に向かい、一人と一翼は軒先に向かう。
「ふぃ〜、まったく酷い雨やな……」
「だから僕は一休みしようって言ったんだ。こっちの気候はアルパカとは違うんだから」
「せやけど、荷物の期限が迫ってたやろ? しゃーないやん」
「それだってシドレーが無理に引き受けたからだろ? 旅馴れてない地方なのにほいほい引き受けるもんじゃないよ」
「困ってる人を助けるのは義人の常やろうが。いつからそんな冷たい子になったの?」
「報酬に釣られたくせに……」
「まぁええやろ。こうして荷物も無事に届いたんやし……」
「おかげで遠回りになったじゃないか……」
 ため息交じりに宿の受付に行くリョカ。外では馬屋で丸くなるガロンに、受付のおじさんは、馬が食われないかと冷や冷やしている。
「あの子は大人しい子だから平気ですよ。それと、僕と……。このドラゴンキッズの大きいのが泊まっても平気な部屋ってありますか?」
 大きいキッズという言葉に首を傾げながら、リョカの人当たりの良さそうな笑顔に頷く受付のおじさん。
「あんた魔物使い? へぇ……初めて見たよ。あんなに行儀の良いキラーパンサーは……」
「ウチのガロンさんはそこいらの下品なのとは違うんざます」
 器用にタオルで背中を拭くシドレーに、受付はさらに目を丸くする。
「驚いた。このドラゴンキッズ、喋れるんだ。ベネットさんに教えたら喜ぶかもな」
「ベネットさん? 良かった。僕らその人に届け物を預ってるんです。どこに住んでいるんでしょうか……?」
「ん? ああ……、ベネットさんならこの街の入り口を左の壁伝いに進み、突き当たりを右に曲がって三番目の十字路を左に曲がり、さらにトンネル潜って井戸の隣かな?」
「え? え?」
「まぁ、そんなずぶぬれで慣れない街うろつくよりも、熱いシャワーでも浴びてきな。そんじゃあ今日は二人と一匹、ご案内っと……」
 どうにも狐に抓まれた気分になりながら、リョカは案内された部屋へと荷物を置きに行った……。


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