黒い情熱-3
僕は知っていた。
彼女が独り、昼の日中からここへ寝そべって、その下着の中へ手を突っ込み、滾る情欲を慰めているのを。彼女は押し入れの下に格納したカラーボックスの奥に、黒く太いペニスのレプリカを隠し持っている。それは彼女自身が、彼女の肉体に快楽を与えるためだけに隠し持たれた玩具。本物にはない長さと太さ、表面に浮いたおぞましい突起の数々、そして深いカリ。叔母は剥き出しにした女の中心へ、自らの意志と力で潜り込ませていく。譫言のような言葉を垂れ、見えない相手に哀願する。
「ああ・・お願い、いっぱいしてぇ・・」
自ら嵌めた黒の首輪。手にしたリールを自ら強く引っ張りながら、ビニール袋から取り出す白い布に顔を埋め鼻を鳴らす。
「ああ、素敵・・凄いニオイ・・・オバサンに頂戴・・」
それは僕のブリーフだった。彼女はそれを、僕の家に来るたびに脱衣所の籠の中から盗んで持ち帰っていた。
僕は叔母の繰り広げる昼間の痴態、その一部始終を、この部屋に設置した盗撮カメラから知った。
「智也くん・・オバサンは智也くんのペットよ・・・なんでもするからお願い、オバサンに智也くんのオチンポ頂戴!!」
僕たちの黒い情熱は、それぞれの些末な犯罪を媒介し、まるで引き寄せ合うようにしてここに結実されたのだった。