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先生の観察日記
【学園物 官能小説】

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俺とアイツとの通学電車-1

翌日の朝


通勤ラッシュのピーク時、電車待ちの列に並んでいた。

よしっ、江口と教室で会っても絶対に普通に過ごすぞ、とか、まずはなんて話しかけよう、とか、ぼーっと考えていた。

つんつん。  振り返ると天使の笑顔を浮かべた江口が立っていた。

「おはよ。風邪、大したことなかったんだね。」

心臓が飛び出るかと思うほどビビったが、そこは得意のポーカーフェイス。

「おう、おかげさまで。…そういや、なんかいつも眠そうだよな?」

「そりゃ受験生ですから。でもねぇ、この電車混むから足の力抜いても寝れちゃうんだよっ。橋本クンは、ちゃんとテスト勉強してるのー?」

「立って寝んなよ!(笑)テスト勉強はぼちぼちかな。」

そんな他愛のない会話をしていると、ホームに電車がやってきて、俺たちは電車の中に吸い込まれた。人の波に押されて、江口は扉の前、俺はそこから2メートルほど離れたところに立っていた。

江口はこっちを向いて、『お・や・す・み!』と口パクをよこし、扉の方に向き直ったかと思うと本当に目をつむって眠り始めた。

ほんと、どこででも眠れるんだな。おでこを扉にもたれかけて、うまいこと寝てやがる。

江口を見ているのはいつまでも飽きなかった。二人の間に何人もの人がいるけど、俺におやすみと呟いた江口との距離は近いように思えた。このまま時間が止まればいいのに…


しばらくアイツを見ていると、おでこが徐々に下を向きはじめ、口がもごもごと何かを言っているようだった。

アイツまさか寝言でも言ってんじゃないだろうなぁ〜とか考えていたら、いきなりこちらにくるりと顔を向けてきた。俺はハッとした。



『た・す・け・て』



顔を真っ赤にして、目にはこぼれそうなほど涙を浮かべていた。どうして気づかなかったんだ。

恐怖に固まった体でも、アイツは俺につぶやきかけていたのに…あいつ痴漢されていたんだ。

頭がカッとなった俺は気づくと、ぎゅうぎゅう詰めの人をかき分けて行き、おっさんの腕を捻りあげていた。江口の背後にピタリとくっついていたおっさんは、セーラー服の中に手を突っ込んでいるところだった。

「こいつ、痴漢です!」

大きな声で言いながら、開いた扉からおっさんを蹴り飛ばした。ホームにいた人たちは最初ぽかんとしていたが、涙目の江口を一瞥すると、みんなが倒れたおっさんに白い視線を向けた。

白い顔をしたハゲおやじを残して、再び電車は走り出す―




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