第三話〔続〕――死神と炎人と帝国の黒歴史-43
「こんなオジサンにか?」
「あなたの歳なんて、関係ない……んっ……わたしは、あなた、を――んんっ?」
フェルナンはそこでアルフォンシーヌの唇を奪った。
彼女はいま、媚薬の効果で発情しているだけなのだ。
だが、人間は一度口に出してしまった言葉には隷属しなけらばならない。そんなことをさせるわけにはいかなかった。
卑怯な中年にも、一抹のプライドくらいは残っているのだ。
上唇を甘噛み、粘膜同士を絡ませる。
刹那的な情愛。
倒錯的な情交。
背徳的な慕情。
それだけで、フェルナンは十分だったし、満足であった。
「ぁ……」
フェルナンのソレが怒張し、彼女の奥で跳ねた。
感度が悪くなった中年のソレも、処女の痛いくらいの締めつけには反応するようだ。
ゆっくりと腰を引き、さらにゆっくりと腰を戻す。
まるで犬のような格好で、犬がマーキングするかのように緩慢な動きで犯していった。
「ぃ、あ……ひぁ……ぅんっ……」
アルフォンシーヌの声に色がかかってきた。
空洞が、知らずのうちに淫靡な空気に包まれている。
フェルナンは彼女の小振りな耳たぶを舐め、舌先で耳穴も犯した。
その動きに合わせ、膣がビクンビクンと躍動する。
「あっ、あっ、あんぁ、そこっ……」
自身の先が、最奥に当たった。
子宮口である。そこを突いてやると、まるでバネ仕掛けの玩具のように肩を震わせる『死神』の艶姿に否応なく、欲望が燃え上がる。