第三話〔続〕――死神と炎人と帝国の黒歴史-42
昔よりもわずかに張りを失った『自身』が、それでも怒張し、姿を現した。
黒々とした、中年の己と、みずみずしい乙女の秘部を目に、妙な背徳感を覚え、フェルナンは年甲斐もなく興奮する。
肉槍の先端を、そっと、その穢れなき秘所へと宛がう。
見ると、まだ、アルフォンシーヌは息を整え終えておらず、初めてを奪われようとしていることを感知していない。
処女は総じて痛がるものだ。処女膜の有無に関係なくである。
だから、呆けているところを一気に貫いてやる――それがフェルナンのできる最大限の優しさだった。
ッツプ……
「ぁ――」
挿入にはさすがに気づいたようだが、覚悟をする暇も与えるつもりはない。
ズブゥッ!
「っ、っっぅ!」
声にならない悲鳴をあげるアルフォンシーヌ。
全身を痙攣させ、痛みに耐える。
そっと、フェルナンはそんな女体を抱きすくめた。
はだけさせた胸元から乳房をやわやわと揉み、うなじに舌を這わせる。
気休めでしかないのは承知の上、それでも、なにかしてやりたかったのだ。
「ぁ……ぁ、ぅ……フェル、ナン……」
こちらを見上げたアルフォンシーヌの頬に、一筋、涙が走った。
「すまない。痛かったろう……」
「ちが、う……わたし、嬉しくて……」
「嬉しい?」
「あなたに、処女を捧げられた……それが、嬉しくて……」