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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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ポートセルミ編 その一 アルマ-12

「リョカ殿。貴方の武勲は私も聞いております。かのラインハットの内紛にてアルベルトと共に邪悪を制した英雄。確かにすばらしい。失礼ながら立ち聞きさせていただきました。貴方は未だ旅の途中にある。こう申し上げるのは少々恥ずかしいことではありますが、お嬢様はとても難しい、じゃじゃ馬でございます。よく言えば行動力の塊でして、おそらく伴侶として男性に尽くす女性にありません。きっと貴方の目的を果たす上で枷になるでしょう。それはお父上にもお嬢様にも片手間な状態となりませんか? もし、貴方が本当にお嬢様を欲するのであれば、まずはお父上との約束を果たし、居城を構え、財貨をなし、私を納得させ、さらには旦那様の了承を受けるのが筋でございましょう」
 フレッドの長話にリョカは唖然としながら、ただただ頷く。先ほどは勢いで彼女を求めてしまったが、もし本当に彼女を欲するのであれば、前途多難といえるだろう。もしかしたら母を捜すことよりも、この老人に認められることのほうが難しいかもしれない。
「それにお嬢様。本当に私は情けない。貴方がた姉妹のお世話をさせていただきましたが、どうしてここまで違うのか不思議でなりません。妹君は本当にしとやかで教養に富み、淑女としてのマナーを普段から心がけ、許婚のアンディ様とも仲良くなさっております。それに対し、お嬢様は冒険だ探検だと連れ出し、許婚であったリベル様からもご破談を申し入れられ、本当に悔しくて、情けなくてなりません」
「だって、私ああいうキザったらしい人嫌いなのよ。それに一日お家に帰れない程度で泣いちゃうような人じゃ、私には釣り合わないわ」
「だまらっしゃい。たしかに彼ではお嬢様の伴侶は務まらないかもしれません。けれど、お嬢様が振られるような屈辱、わたくしに耐えられましょうか?」
「そうはいっても、この前の商談だって結構馬鹿にされてたじゃない。女なんかと仕事ができるかってさ」
「けれど、最後はお嬢様のすばらしさをご理解いただけました。そもそもお嬢様の普段の態度が先方の不信感を煽ったわけでして、やはりここはお嬢様に自重をしていただかないといけません。つきましては今回のお仕事の完了後、今一度海辺の修道院にて花嫁修業を再履修していただきます。旦那様からもそのことに関して、しっかり許可をいただいておりますゆえ……」
「ちょ、それは困るわ! あんな退屈なところに押し込められるなんてまっぴらよ。それだけは勘弁して……」
「でしたら……」
 にやりと笑うフレッドに、アルマは拝み倒す。
「わかったわよ。ちゃんと振舞うから……いま少し猶予を頂戴。ね?」
 どうやら老人のほうが一枚上手ならしく、アルマはリョカの手を名残惜しそうに握ったあと、小さく「ゴメンね」と言い、宿に戻った。
 リョカは暫く、彼女のぬくもりが残る手を胸に当て、高まる気持ちを抱いて目を閉じた……。

**――**

 翌日、仕事を終えた従者の二人はフレッドから賃金を受け取り、次の仕事を求めてギルドへと向かった。
 アルマとフレッドはドルトンの仕事の進捗如何でアルパカに二、三日留まるつもりらしい。
「さてと……」
 リョカはというと、サラボナを目指すべく、レヌール西の港への出発準備をしていた。
「あら、リョカ、そんな準備なんかしちゃって、どこか行くの?」
 すると、朝食を終えたアルマが地味なパンツルックでやってくる。普段は上流階級らしく煌びやかなドレス姿だが、アルパカのような田舎町では浮いてしまいがち。もともとおしとやかな性格でもらいしく、今の姿のほうがずっと自然な雰囲気だった。
「はい、僕はこれからレヌール西の港へ向かって、それからポートセルミへ……」
 今回の仕事はアルパカまでの護衛。リョカとしては心残りがいくばくかあるものの、剣の不思議な重さに父の遺言の重さを重ねてしまう。


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