優しさに包まれて-5
「・・・入れても、いい?後悔しない?」
野崎の言葉に、千鶴は言葉を失った。
・・・本当に・・・いいの?
後悔・・・?
夫の、千鶴に向けられた背中が脳裏に浮かぶ。
「・・・っ・・・!いいのっ・・・!マスターが、欲しいっ・・・!」
「千鶴・・・っ!」
野崎は、千鶴にあてがっていた自身をそのまま千鶴に挿しいれた。
「あっ・・・あっ・・・!あんっ・・・!」
カウンターに押し付けられたまま、野崎に激しく揺さぶられる千鶴。
ぐちゅっ・・・ずちゅっ・・・!
激しく、卑猥な水音が喫茶店に響き渡る。
「んっ・・・!ま、またイッちゃうっ・・・!ダメっ・・・!!」
「いいよ、思い切りイッて・・・」
「あっ・・・あああっ・・・ああんっ・・・!!」
野崎の背中に、すがり付いて思い切りしがみつく。
ドクッ、ドクッ・・・
自分の中に、注ぎ込まれる熱い液体を感じながら、千鶴は意識を飛ばした・・・。
汗だくの体を、のろのろと動かし、無言で服を整える二人。
先に、口を開いたのは野崎だった。
「・・・俺・・・同情とか、いい加減な気持ちで千鶴を抱いたんじゃない」
「・・・え?」
「ずっと、前から千鶴が好きだった。多分、面接に来た時から・・・」
・・・そんなに前から?
普通に、仕事をしていたから千鶴は全く気づかなかった。
「千鶴が・・・幸せなら、それでいいと思ってた。でも・・・ああいう話を聞いたら
もう、黙っていられない。今すぐ、とは言わない。俺と・・・一緒に歩む道を考えてくれないか」
千鶴は、野崎の言葉に胸が詰まった。
本当は、今すぐ野崎の胸に飛び込んでしまいたかった。
でも、事が性急すぎて・・・千鶴の気持ちがついていかない。
千鶴は、野崎を見つめる。