二人の満員電車-7
「おいっ!待てよ!」
追いかけようとする安藤を、友里は止めた。
「安藤くんっ・・・!ダメだよ、ここで降りたら遅刻しちゃう!」
「お前、あいつに何されたかわかってんのか?!」
激昂する安藤。
「わかってるけど、安藤くんがケガしちゃったら・・・!そっちの方が嫌だよ!」
「・・・山崎・・・」
そうこうしてるうちに、ドアは閉まり発車した。
「・・・こんなお人よし、見たことねーよ」
安藤はまだ気が治まらないらしく、カッカしていた。
そして―・・・ようやく、友里はさっき痴漢によって
胸がセーラー服の中で丸出しになっていること、ショーツが
脱がされかけていることに気がついた。
「・・・安藤くん、ごめん・・・。服、直したいから
見えないように盾になってくれないかな」
「あ、ああ・・・。」
安藤はそう返事をすると、腕を広げて友里を覆うように立った。
・・・なんだか、安藤に守られているような体制で、ドキドキする。
友里は安藤に背を向けて服を直し始めた。
セーラー服に手を入れてブラを直し、
スカートを少し捲くり上げてショーツを直した。