二人の満員電車-6
「は・・・はぁっ・・・」
嫌・・・っ!こんな、誰かも分からない手で感じちゃうなんて・・・!
割れ目を擦っていた手は、ショーツの上の部分に手をかけ、
脱がせようとしているのが分かった。
「い、嫌っ・・・!」
こんな電車の中で脱がされるのは・・・嫌っ!
友里は足を強く閉じて、脱がされまいと必死に抵抗する。
ズズッと脱がされ、力を入れている太もも付近でショーツが止まった。
誰か、助けて・・・!
そこへ・・・。
「おい!何してんだよ!」
そう声がして、見ると・・・友里のクラスの、安藤だった。
「・・・!あ、安藤くん・・・!」
痴漢の手が、安藤の手に掴まれて高く上に上げられていた。
「・・・っ!」痴漢は慌てて手を振り解こうとする。
しかし、安藤も強く掴んでいてなかなか振り解けないようだった。
その時ちょうど駅に着いて、友里たちがいる方のドアが開いた。
痴漢は、そのまま安藤の手を振り解いて逃げていく。