二人の満員電車-3
友里は、端っこの空いていたポールを掴むとホッと息をつく。
普段はこの1本前の電車に乗る。
この電車でもギリギリ間に合うんだけど、殺人的に
混むのが分かっていたから避けていた。
夏も近くなっていたし、このムンムンな熱気に耐えられそうもない。
明日は、もっと早く起きよう!そう決意した。
そして―・・・。
出発して5分も経っただろうか。
1つ駅を通過したが、更に乗客が増えただけで全く動ける状態じゃない。
あ〜あ、ウンザリだなあ。
そう思っていたら―・・・。
もぞもぞと、何かが動いておしりに当たるのを感じた。
・・・まさか、痴漢?
この間、クラスメイトと話していた、すっかり忘れていた痴漢の話を思い出す。
いやいや、きっとカバンか何かが当たってるだけだ。
友里は、気にしないことにした―・・・。
でも・・・。
やっぱり当たってる・・・。
今度ははっきりと手の感触を感じた。
スカートの上から、おしりを上下に擦られている。