二人の満員電車-2
―・・・ある日の朝。
友里は、遅刻しそうになって全速力で走っていた。
やばい、寝坊した・・・!
友達の失恋話でつい、長電話をしてしまった。
気がついたときはもう12時をまわり、その後も
泣いている友達を放っておくわけにもいかず、結局夜中の
2時まで電話を切ることが出来なかった。
話してるうちに友達も落ち着いてくれたから良かったけど・・・。
いつもは朝6時半には起きるのに、今日目が覚めたのは、7時を過ぎてから。
朝ごはんもそこそこに、家を飛び出したのだった。
あっ・・・!もう電車来てる・・・!
でも、走れば何とか間に合いそうだ。
それまでも走っていてヘトヘトだったけど、あの電車を
逃したら完全に遅刻だ。
友里は必死に走った。
そして―・・・。
どうにか、ぎゅうぎゅう詰めの電車に滑り込むことが出来た。
目の前で、プシュー・・・と、扉が閉まる。
よ、よかった・・・!
安心すると汗がドッと噴出してくる。
先週衣替えをしたばかりの、白いセーラー服が
肌にべっとり貼りついて気持ちが悪い。