二人の満員電車-14
「うっ・・・ううん、私だって・・・と、止められなかったんだし・・・」
言ってるうちに、恥ずかしくなってきて徐々に声のトーンが落ちる。
二人は、電車を降りてとりあえず学校への道を辿っていた。
終わったあと、周りに全く気づかれていないわけはなく・・・。
友里と安藤は後ろを見ずにダッシュで電車を降りた。
一気に駅を出て、今やっと足取りを緩めたところだった。
「で、でも・・・。俺、いい加減な気持ちであんなことしたんじゃない・・・」
「・・・え?」
安藤を見ると、真っ赤な顔でうつむいていた。
「順番・・・逆になっちゃったけど・・・ずっと、山崎の
ことが気になってた。山崎が・・・良ければ付き合って欲しい・・・」
思いがけない告白に、友里の思考回路はストップした。
ホントに・・・?
手が届かない存在だと思ってた安藤くんが、私に
付き合って欲しいって言ってる・・・。
「・・・山崎?」
いつまでも何も言わない友里を、心配そうに安藤が覗き込む。