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南の島にて
【その他 官能小説】

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南の島にて-7

私は、彼のものを夢中で吸いあげ、止めどもなく湧き出る唾液を絡ませながら、舌先で捏ねまわ
した。やがて彼が恍惚とした瞳を潤ませ、かすかな鼻呼吸をたてはじめたとき、私は、懐かしい
潤みが性器の奥から滲み出すのを感じた。

からだと心の奥底からじわじわと押し寄せるような欲情の渇きは、いつのまに蕩けるような潤み
に癒され、私の薄い肉の襞を濡らす。私のからだは、逆に男の子のからだに囚われたように、
ひたひたと欲情し続けていた。

それは、けっしてあの頃の私の、棘のある欲情でも淫らな欲情ではなかった。


私はペニスから唇を離すと、彼の細い足首を愛おしく手にし、天井に向けて掲げあげた。
そして、そのしなやかな彼の脚を胸に抱いた。私の柔らかすぎるほどの乳房が、ねっとりと彼の
脚に絡まり、乳首は、まるで唇のように彼の白い脚肌に吸いつく。

私は、彼の脚の柔らかなふくらはぎから足首まで、貪るような愛撫を続けながら、自分の幸福と
感傷に深く酔っていた…。



男の子が帰ったあとにひとり残された私は、部屋の灯りを消し、窓をあける。ヴァイオリンが
奏でるあの小夜曲が、裸の私を優しく包み込むように背後から流れてくる。

私は、ふと煙草に火をつけた。星灯りが、全裸の私を蒼白く照らしながら、陰部の奥に忍び込ん
でくる。闇に包まれた海から潮を含んだ風が、煙草の煙を巻き上げ、淡い微熱を含んだままの私
の性器をゆるやかに撫であげる。


男の子が私の中で放ったレモン汁のような香りのする白濁液が、私の太腿の内側を糸をひくよう
に流れていた。まどろんでしまいそうな彼のペニスを含んだ肉襞の甘美な感触が、性器の奥に、
安らぎに似た穏やかな余韻として残っていた。


…ぼくは、ほんとうにあなたを好きになってしまいそうです…

名前も知らない男の子は、はにかむようにそう言うと、私の部屋をあとにした。


彼と溶けあうような性を交わしたあと、私の中で止まっていた時間が、砂時計の砂が音もなく落
ちていくように、ふたたびゆっくりと流れ始めたような気がする。

暗い海の地平線に煌めく細かな光の群れが、私の潤んだ瞳の中で恋人の残像を描きながら、ゆる
やかに瞬きながら溶けていった…。


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