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南の島にて
【その他 官能小説】

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南の島にて-6

「…ぼく、初めてなんです…女の人とこういうことをするの…」

男の子は、大きな瞳をふちどる長い睫毛を、微かに震わせながら言った。初めて…と言った彼の
言葉が、私の中を心地よく擽る。

「別れた恋人とはしなかったのかしら…」という私の言葉に、男の子は、はにかんだように小さ
く笑い、首を横に振った。

「まだ、童貞なのね…」と言った私の言葉に、男の子は頬を少し赤らめる。


ベッドの上の彼の滑らかなからだからは、眩しすぎるほど澄みきった肌が息づき、摘みたての果
実の搾り汁のような匂いがする。


私は彼のペニスの幹をゆっくりと指でなぞりながら、心地のよい体温を含んだ垂れ袋を掌で包み
込む。指のあいだを、脆さを含んだ肉珠が嬉しそうに戯れる。私は指で摘みあげるように、その
感触を確かめ、媚びるような淫らさに浸る。

彼の性器に触れる私の指先に、淡い絹糸のような陰毛がからむ。そのとき、自分の中にどこから
か懐かしい匂いと褪せた古い記憶がよぎり、私は確かに別れた恋人のペニスを思い浮かべていた。


ホテルの部屋の淡い琥珀色の灯りは、すっかり夕闇に包まれた窓の外の海の夜景へと続く。


「…聞いてもいいですか…」

「何を…」

「あなたは、どうして僕に声をかけてくれたのですか…」と、男の子は、私をじっと見つめなが
ら言った。

「…あなたが、赤い薔薇の花を手にしていたからよ…」

不意に尋ねられ、薔薇の花という言葉をとっさに呟いた自分に私は戸惑った。別れた恋人が好き
だと言った赤い薔薇の花…そして、男の子が手にしていたあの薔薇が、私のことを悲しげに笑っ
たような気がした。



白い腿の付け根を開いた彼の股間に、私は深く顔を埋め、唇を擦りつけるように彼のペニスを優
しくまさぐる。

湿った吐息が男の子のペニスを包みながら、私の唇がその先端をゆるやかにとらえる。どこまで
も花の蕾のような匂いのする甘い香りだった。

男の子の擽られるような匂いに包まれながらも、私は、今もまだ恋人のペニスの追憶に浸ろうと
している自分に苦笑する。唇の中に含んだ男の子の薄桃色の亀頭に私の舌がふれると、彼は小刻
みにペニスを震わせる。

そのとき、彼の瞳の中で、どこか切なすぎるほどの光が放たれたような気がした。


私は、唇で彼のものを咥えると、その先端に舌を絡ませる。微熱を含んだペニスが、くすぐるよ
うな舌触りを感じさせる。そして、ゆっくりと彼のものを咽喉の奥深くに含みながら、唇でその
根元を愛おしく締めつける。私が忘れていたペニスの堅さと柔らかさの感触を唇に感じる。


ふくらみを増すペニスの先端が、ゆるやかに咽喉の粘膜に忍び込んでくる快感が、私の背筋を
走り抜ける。それに反応するように彼のものが、ピクピクと撥ねるように私の口の中で小刻みに
ふるえる。



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