南の島にて-4
「…あなたは、とてもかわいい方だと思います…」と、男の子はダブルベッドの上で、ブリーフ
だけの肢体を横たえながら、きれいな睫毛の中にある黒い瞳でじっと私を見つめていた。
「…えっ…いやだわ、かわいいなんて…もう、おばさんなのよ…」
突然の彼の言葉に、私は気恥ずかしさをおぼえながら、ブラジャーを外し、ショーツを脱ぐ。
明るさを押さえた淡い琥珀色の灯りの中に、私は一糸纏わない肌を彼の前に晒した。
恥ずかしさもなく自分の裸体を男の子の前にさらしたとき、私は忘れ去っていたからだの芯の微
かな火照りを感じた。全身の肌に注がれる男の子の視線が、私の中に秘められた湧き水のような
蜜液を誘っているようだった。
「…そんなに見つめないで…恥ずかしいわ…」
「すごく、きれいだと思います…」
ベッドの上で、そう言った男の子の横に、私はそっと寄り添う。彼の腰に手をあてる。首筋から
薄い胸、そして下腹部から足先まで、男の子のからだは、どこか彫塑的な優雅さをもった起状を
描き、息苦しくなるくらい清楚でなめらかな肌が眩しく耀いていた。
白色の薄いブリーフに包まれた男の子のものに掌をあてる。こんもりと盛り上がった彼のものに、
やわらかい微熱を感じたとき、私の中の潤みが、少しずつ溶け始めているのを感じた。
私はそのベールのような布地の上から、彼のものに頬を寄せた。石鹸の匂いのする薄いブリーフ
に包まれたペニスが息吹き始め、その鼓動は、どこか遠い海の彼方から潮騒の音とともに聞こえ
てくるようだった。
「あなたの胸に触れてもいいですか…」
彼が恥ずかしげに囁いた言葉に、私は小さく頷いた。男の子は、やや弛みのある私の乳房に、
小刻みに震える細い指を添える。そして、彼は、私のからだに覆い被さるようにベッドに押し
つけ、私の乳房に顔を埋めた。
「…柔らかくて、とてもいい匂いがします…」
彼は、私の乳房に頬を添えながら、ふくらんだ乳首を唇でなぞった。
…ああっ…
私は、その擽られるような彼の唇の感触に、小さな嗚咽を洩らす。それは、私にとって、あまり
にも自然で懐かしい嗚咽だった。
彼の唇は、とらえどころのない優しさをもって乳房を愛撫し、やがてゆっくりと乳首を口に含ん
でいく。私は、思わず男の子のからだを強く抱きよせる。私の肌が、彼の瑞々しい湿り気を帯び
た透明な肌を貪るように包み込んでいく。
彼は、私の乳首を口に含んだまま、どうしていいのかわからないように彼の舌の先端が、乳首の
まわりを優しげに這い回る。彼は、まるで乳飲み子のように私の乳房に顔を押しつけ、その手は
いつのまにか私の乳房を柔らかく揉みしだいていた。
私は、軽い悶え声を洩らしながらも、胸郭は大きくせり上がり、彼にからだのすべてを委ねよう
としていた。そのとき、どこからか、恋人が好きだったあの薔薇の花の香りが漂ってきたような
気がした。