ラインハット編 その七-9
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紫色の霧。どんよりとした雰囲気が室内に篭る。
男達はマリアに歩み寄り、汗で濡れた身体に手を伸ばす。
一人でも抗えないというのに、さらに加勢されたこの状況、涙すら零れず、マリアは身体を投げ出した。
「うへへ、前からこいつとやりたかったんだ!」
ふっくらとした胸にしゃぶりつく小太りの男。やわらかな細腕を自分の股間へと導き、逸物を揉ませる。
「たまらんなぁ……。なんでこんな上物が奉仕者になったんだか?」
別のノッポな男はマリアの顔を自分の股に向かせ、口を開かせて無理やり陰茎を押し込む。
「おえらいさんの情婦になったほうが得だわな。まあ、奴隷ってことには変わんねえけど」
「ぐむむぅ……!」
苦しそうに呻くマリアだが、男たちはそれを気にする様子もない。
「ま、たまにはこういう役得があってもいいだろ? さてさて、そんじゃ俺は下の口をいただくとするか……」
痩せた男は親指を長くした程度の陰茎をマリアの股間にあてがい、ゆっくりと腰を前に押し出す。
「うおおぉ……、なんだこのしまり。他のアバズレなんかとは全然違う! 俺のがネジ切られちまいそうだ!」
「はは、おまえの短小チンポがねじ切られるなんて有り得ねえよ」
「うっせー。つか、まじですげえ……、けど、ちょっと湿り気がたんねえな……」
「うっ、ひぅ、痛い……やめて……」
陰茎から口を離して涙ながらに訴えるマリア。ノッポの男は容赦なくそれに陰茎で塞ぎ、鼻息荒げて腰を前後させる。
「うお、ふぅ……すげえな……なんてこった。こりゃすげえ……。こんな滑らかなマンコ、初めてだ……。まじで……、まじでもういきそうだ……」
「おいおい、いくらなんでもそりゃ早すぎだろ? もっと楽しめよ」
「無理無理……。コイツの締め付け、すげえ。それにこのマンコも普通じゃねえ。すげえ滑らかだし、複雑にからんできやがる……!」
顔をしわくちゃにしながら必死で声を出す痩せた男。
「お、おい、ならさっさといって俺に変われよ……」
手でさせていた男は痩せた男の様子に生唾を飲み込む。
「うはぁ……、もうだめだ!」
「いや、いやあ!!!」
断末魔に似た叫び声が響いた後、二人は身体を硬直させる。
「もう我慢できない!」
小太りの男は痩せた男を押し退け、自分の物を精液の滴る穴にあてがう。
「うほう! こりゃ良い締め付けだ! こんな女、いままで味わったこたねーな! すげーしまりだ。まじでチンコねじ切られそうだ!」
興奮に腰を前後させる小太り。
「やっ、やっ……やめて、離して! お願い、正気に戻って!」
マリアの悲しい声が、暫く響いた……。
??――??
大きく背中を切り裂かれた男が、部屋の中央に倒れていた。血しぶきがそこいら飛び散り、今もまだ流れ出ている。
免疫の無いマリアは部屋の隅で逆流しそうな気持ちを必死に堪え、それを見下ろすローブ姿の女を見る。
「ど、どうもありがとうございました」
「お礼はいいからさっさと服を着て……」
白いローブから少しだけ見えるピンクの髪。そして尖った耳は人間とは一風違う。
マリアが襲われるその刹那、紫の霧が立ち込めた。
やってきた四人の男達のうち三人が立ちくらみでもしたかのようにぼんやりしだす。そして、急に矛先をマリアから倒れていた男へと変え、蹂躙し始めた。
その様子は正視に堪えがたい光景であり、マリアは目を背けた。
一人その霧の影響を逃れた男は仲間の変貌に目を丸くする。
「貴方には効かなかったのね。運の無い人……」
どこからとも無く声がしたと思うと、風の刃が男の背中を切り裂き、絶命させた。
その後、光が集まり、白いローブ姿の女が現れたのだ。