ラインハット編 その七-6
「ふん、貴様は何か勘違いしているな。看病など必要ない。お前らは光の教団に奉仕することこそが至高の幸せなのだ。ほら、さっさと持ち場に行け。そっちのソイツは処置室に運ぶ」
「な、処置室なんて……。どうか、それだけは勘弁してください。必ずヘンリーは復帰できます。きっと彼は労働力になりますから、だから……」
処置室という言葉に酷く怯えるマリア。もしそれを許せば、ヘンリーは帰らぬ人となる。
「ふむ……、となると、そいつが寝ている間、お前が代わりに奉仕をするというのか?」
「え? えぇ……、私が代わりにいたします。なんなりと……」
「そうか……、なるほどな……」
監視の男は上唇をぺロリと舐めると、マリアの腕を掴む。
「よしわかった。それならそっちのお前。お前はソイツの看病でもしていろ。特別に許可する」
監視は彼女を立たせると、その肩を抱く。その手がいっそのこと乱暴ならよいのに、まとわりつく程度のいやらしさが、マリアに選択を誤ったことを認識させる。
??――??
監視の一室に連れてこられたマリア。
部屋の中央と入り口に明かりがあり、中は二段ベッドか敷き詰められている。奉仕者の部屋と比べればましだが、あまり衛生管理はよくなく、汗や垢、それに青臭い臭いが立ち込めている。
「さて、何をするかはわかってるよな?」
かちゃかちゃとベルトを外す監視の男。
「……」
マリアは頼りない薄麻の胴衣を掴み、座り込む。
これから始まるであろう行為に、身体の震えが止まらない。声を出そうにも歯ががちがちといい、逃げ出そうにも足が竦んでしまう。
「そう怯えるな。痛いのは最初だけだ。すぐによくなるし、良かったらこれからもかわいがってやるんだ……」
監視はマリアの顔前にぽろんと半勃ちになった逸物を出す。
「ほら、しゃぶれ……」
醜く茶色がかったそれは包皮に包まれており、先っぽから透明で粘り気のあるものを垂らしていた。
「ひぃ……」
ツンとした刺激臭を放ち、びくびくと下心で跳ねる男根に、マリアは思わず顔をそらす。
「おら、さっさとやれよ。それとも今からアイツらのところに戻ってやろうか? そらできないだろ!?」
顔を背けるマリアの頬に逸物を押し付ける監視。みちゅっと音を立て、粘液とそれを伝う熱さ、肉棒の弾力を感じる。
「や、いや……」
そう叫ぶも、苛立った監視が強引に彼女の頭を掴み、開いてしまった口にむりやり押し込む。
「うぐう! むぐぅ……」
口腔内に押し込まれた包茎の逸物に、マリアは目を白黒させる。口の中に垂れた男の淫水と唾液が混じり、驚いた瞬間にゴクリと嚥下してしまう。
「むぐ、んぐ……んごく……」
目をぎゅっと瞑っても事実は変わらない。男はマリアが先走り汁を飲んだことに満足したのか、にやっと笑い、腰を前後させる。
口腔内を暴れまわる陰茎。皮がめくれ、酸っぱい臭いと苦しょっぱい感覚を舌に押し付け、何度も往復する。
そのうちに亀頭の先っぽから新たに粘液が零れだす。
もう飲みたくないという一身で口での呼吸を止めるマリア。鼻でふーふー息をして、唾液を口腔内に溢れさせる。そこに生暖かい粘液が混じり、それが耐えられなくなったとき、
「ぶはぁ……べっべっ……、げほげほ……」
マリアは男の下半身に両手を尽き、べべっと口の中にたまったものを吐き出す。
「てめえ、何汚してんだよ……。おら、さっさと続きをするんだよ」
亀頭の少しが捲りあがった男の逸物は期待にひくひくと蠢き、マリアの鼻先につきつけられる。
「い、いや……こんなの、こんなのいやです……」
涙交じりに訴えるマリア。けれど、男はその仕草にすら興奮をするらしく、さらに鼻息を粗くさせ、マリアの頬を陰茎でなぞる。
「うぅ……いやぁ……」
「ふふん。そんなに口でするのが嫌か……。なら……」
監視はマリアを床に叩きつけ、胴衣をびりびりと剥ぎ取る。