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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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ラインハット編 その六 別れ-2

「貴方、彼女と一年一緒にいたのでしょ? 寝食共にして、それで何も思わないわけ? ありえないわ」
 意外そうに言うエマに、リョカは口ごもる。
「貴方はマリアを愛している。だから共にいた」
「僕は……、ヘンリーの代わりにマリアを守る必要があった」
「それは嘘。彼女には修道女になる選択肢もあった。けれど貴方は自分の傍に置いた。それはどうして? 生きているか判らないヘンリーのために? 詭弁ね。貴方はマリアと一緒に居たかったのよ。それは彼女を愛していたから。邪魔なヘンリーがいなくなって、二人で夫婦ごっこ。そうでしょ?」
「僕は、違う……。マリアを、マリアは好きだが、そうじゃない……」
 口では否定するものの、リョカはエマを見ない。彼女を見れば、気持ちがぶれる。アルパカの夜に感じた喪失感を伴う悔しさが蘇りそうで怖い。そして、彼女の誘いに乗りそうで……。
「……マリアはパン屋の受付をしながら貴方の帰りを待っていたわね。貴方が傷ついて帰ってこないか、すごく心配してた。そうよね、彼女にとって貴方は頼れるべき理想的な男だもの。強くて優しくて、絶対に自分を見捨てたりしない」
 内容こそ賛美に聞こえるが、口調はどこかしら含み笑いがある。
「あの日、マリアは貴方に何を求めていたのかしらね? 夜遅くに男の寝所を伺うなんて……ね?」
「エマ!?」
 激昂したリョカは掴みかかる勢いで彼女を睨む。しかし、次の瞬間には光が集まりだし、その姿を隠す。
「もし……、貴方がマリアを望むなら私の名を呼びなさい。どこへでも好きな街へと運んであげるわ……」
 ふわっと巻き上がる草花。リョカは苛立つものを感じながら、寝所へと戻る。
 何故、エマがマリアと自分の暮らしを知っているかなど気に留めることもなく……。


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