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SSC 事件編
【サスペンス 推理小説】

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SSC 事件編-1

2008年1月20日AM1:02
―カタッカタカタ。
月明かりが射す部屋からキーボードを叩く音が聞こえる。
部屋には無造作に部屋の真ん中に置かれたパソコンと人影しか見当たらない。
―カタッカタカタ。
【七瀬空 16歳女 身長162cm体重48kg好物デザート・アイス等の甘い物
赤里高校に在籍中の2年生特技…】

パソコンの画面は、その女性の最新の写真・最新の身長・体重・利き手や病歴などの細かな個人情報でビッシリと埋まっていた。

「ななせそら…コイツが、七瀬警視の…」
その人影は誰に言うでもなくそう呟いた。

2008年同日AM9:34

あの日…私が友達と学校をサボって寄ったコンビニで事件は起こった。
「そら〜、決めるの遅いんだけどぉ…」
この娘は友達の香織、サンドイッチやらお菓子やらをいっぱいに抱えている、今にもボロボロ落ちてしまいそう。
「うるさいなぁ…私はよく吟味して選ぶタイプなの〜、てかカゴ使わないと落とすよ?」て言ってる側から、パンやらお菓子を落としている香織(アホ)。
「あぁも〜、イイから早く選んでぇ!」
なんてやりとりをしながら私はデザートコーナーを後にし、最後にアイスコーナーに赴く。
まさかあんな事件をまの辺りにするなんて…
『いやぁぁぁ!』
店内に悲鳴が響く、他でもない私の悲鳴だ。
「そ、そら!?どうしたの!?」
と、心配をした香織が駆けよって来た。
私は後退りしながらも、アイスコーナーに広がる惨劇に指を差す。「し、新発売のペノのビターチョコが売り切れてる!!」


…香織を含め、立ち読みをしていた客や店員が、なぜかアイスの様に冷たい目で見ていたのを覚えている。
特に香織は、頭の血管が浮き出ている。
「…い、イキナリ脅かさないでよ!こんな寒い時にアイスって馬鹿でしょ!?てかそれくらいで悲鳴あげないで…」
『きゃぁぁぁ!』

その悲鳴は店内に…そして、驚いた私と香織の頭に響き渡った。

『おい!騒ぐんじゃねぇ!!次騒いだら頭吹っ飛ばすぞ!』
ヘルメットを被った男達…4・5人が拳銃を片手に押し入って来ると、一人の男は銃口をレジカウンターにいる女性店員に向けた。

その男とは別の男が、天井に設置された監視カメラに向かい叫ぶ。
『見えてるか!?レジの中とレジの下にある金庫、事務所の中にある金全部持ってこい!妙なボタンは一切押すな!この女を殺すからな!!』

続く様に男の仲間は店内に散らばり、動揺をしている客達に手を頭の後ろに組ませて座る様に促す。
男達は4人、店内の客数は5人程だが、抵抗を見せる者はいない…なぜなら男達は全員銃を所持しているからだ。
「おい!そこの女子高生…お前等も手を頭の後ろで組んでしゃがめ!」
銃をつきつけ、男は私達の所へもやってきた。
「は、…い」
香織は言われた通りにしゃがみ、私も遅れる様に座る。
私は何が起きているのかわからなかった…体は震えてはいたけど…頭は真っ白で手には汗を書き、犯人の声・立てる音だけが聞こえてくる。
実際に銃をつきつけられた事のない人には解せない感覚かも知れない。

しばらくすると、現金が入っているであろう紙袋を持って男性店員が事務所から出てきた。
きっと、男達のカメラ越しのメッセージを見ていたのだろう。
男の仲間が男性店員の腰に銃をつきつけ、レジへ誘導する。


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