愛しのお菊ちゃん14-6
「えっ?」
ちょっと呆気に取られる僕。
「あまたの迷える幽霊に愛を説いて成仏させる俊樹さまのお役目、同じ幽霊としてこれ程まで名誉に感じる事はありませぬ」
キリッと武士の子の表情を見せるお菊ちゃん。
そうか…そうなんだね。
なんか吹っ切れた僕…お菊ちゃんをギュッと抱きしめる。
「なれど…ご無事で…必ずや帰ってきて下さいませ」
僕にすがりついてくるお菊ちゃん。
「もちろん…僕の帰る場所はお菊ちゃんだけだよ」
僕はそう言うと自分の唇をお菊ちゃんの唇にゆっくり重ねる。
お菊ちゃんも僕の唇を受け入れ…長い長い口づけ。
チロチロと絡み合う僕とお菊ちゃんの舌。
もうこの辺はすっかり慣れっこの僕とお菊ちゃんだけど。
今日はここまで…。
だってお菊ちゃんが…。
闘いになった場合には助太刀する為にって。
愛用の薙刀を取りに…またお墓にいっちゃったんだのも。
何にしてもお菊ちゃんの理解は得れたし、何よりお菊ちゃんとの愛も深まったし。
僕の決断は大正解だったんだな…良かったぁ。
なんて…ホッとしていると。
部屋の隅に貞ちゃん!?
「わっ!」
これは突然の事に驚いただけで…貞ちゃん自体はもう全然怖くない。
しかも貞ちゃん。
最初にあった禍々しい雰囲気は微塵もない。
前髪も垂らしてないし。
顔色が優れないのは仕方ないとして、前を向いた顔には微かな笑みすら浮かべてる。
その表情は可愛げさえあるよ。
しかも格好は相変わらずスケスケ。
さっきよりも俄然エッチぃ。
「じょ…成仏できたの?」
ちょっとハラハラしながらも貞ちゃんの雰囲気の変わりように、僕は思い切って尋ねてみる。
「まだ成仏は出来ていません…でもだいぶ、気持ちが楽になりました」
貞ちゃん…声まで可愛くなってる。
「じゃあさ…成仏するには?」
もしかしてと思いつつ聞いちゃう僕。
「今日はお菊さんに悪いから…また来ます」
貞ちゃんは意味深な事を言ってスゥゥゥッと消えていった。
やっぱりなぁぁぁ。
つづく