受け入れるということ-5
《…やっぱりあなたは私が言ったことがわかったのね。そう、それでいいの。何も悪くはないし、怖がらなくていいのよ。受け入れて、素直になれば世界が広がるから》
…怖がらなくて…いい…?
…世界が…広がるの…?
《そう。広がる…。素直でいたなら…》
素直で……
またすうっと頭の中が透き通ったように、クリアになっていくのを感じて、いつの間にか後悔した気持ちがなくなっていた。
『…素直に…なればいいの…?でも…』
一体何に…?
…ううん…、私は…もう…
ふわふわとした感覚のまま、愛梨は浴室へ移動する。
汚れた体を綺麗に洗いながら、どうして今まで頑なに拒否していたのかを考えていた。
浴槽につかりながら、過去に、プール事件に痛みを感じながらも必死に向き合った。
あの時…
みんなに笑われて、変な目で見られたあの時から………
私は………
みんなとは違う………
恥ずかしくて………
普通になりたくて今まで………
こんなものがあるから私はって…
嫌で、辛くて………
ずっとずっと拒否してた……
でも……
きっと私は、わかってたんだ…
わかって、感じてた………
私が普通じゃないことの他に………