続・幻蝶(その2)-4
私の前で腰を低くしたヴィディアは、私の陰部の繊毛をゆるやかに撫で上げ、白い泡をたっぷり
含んだ繊毛の繁みを剃刀で掻き分ける。剃刀が私の淡い茂みの地肌をぐっと押さつける。
…あっ…いやよ…やめて…
その私の声が聞こえないかのように、ヴィディアは剃刀を動かす。
…ジョリ、ジョリと繊毛が剃刀で少しずつ剃り取られていく。
陰部の皮膚をつまみ上げ、肉唇の淡い毛元まで彼女は物憂く剃っていく。私はその剃刀が皮膚を
這う感触に、腿の内側が小刻みに痙攣し、咽喉をのけ反らせる。私の中のものが少しずつ露わに
なっていく甘美な感触は、やがて私がヤスオのものになることを感じさせた。
ヴィディアは、淡く渦を巻いた淫毛を丁寧に剃り上げていく。私の股間を探るように深く顔をく
ねらせ、頭を斜めにしながら巧みな手つきで剃刀を操る。その姿をヤスオは、薄笑いを浮かべな
がら凝視している。それは、逃れられない蝶を追い詰める獰猛な瞳であり、いつものヤスオとは
別人のような瞳だった。
ジョリ…
鈍い音とともに、秘部の皮が剥がされていくような眩暈のするような感触に、私の秘裂の蕾がく
すぐられる。地肌の上で泡粒がはじけ、ヴィディアの手にした剃刀は、陰毛の根元の奥まで執拗
に剃り込んでいった。
私の羞恥の茂みは、蝶が隠れるところのない丸裸の茫漠とした丘陵のように、隅々まで深く刈り
取られていくのだった。私は何かを失うと同時に、新しい疼きがひたひたと訪れるのを感じてい
た。やがて股間の割れ目にヴィディアの指が伸び、臀部に続く細い皮膚の翳りにある微妙な産毛
まで剃り上げるのだった。
私の秘裂は青い光沢を放った恥丘の中でどくどくと息づき、自分の意志とは逆に、痺れるように
潤み始めている。すっと伸びてきたヤスオの視線が、私の陰部の奥まで這う。
ヴィディアは、私の性器を舐めるように顔を下腹部に埋め、剃刀を這わせながら、その剃り具合
を確かめながら、刃の先端で秘裂の淵を撫でる。
私は腰部を前に突きだし、その剃刀の淫猥な官能を甘受するように、肉襞が鋭利な刃に馴れてい
く。そして、濃密な漆黒の淫毛はほんのわずかな淡い翳りだけとなっていた。
「もう少しですよ…」
葉巻を咥えたヤスオは、剃り上げられる私の恥丘を食い入るように見つめながら言った。
ヴィディアは、剃刀で最後の陰毛を剃りあげると、湿った布で私の股間から秘裂の窪みをなぞり、
しっとりとした恥丘をぬぐうと、満足そうに立ち上がった。
ヤスオは葉巻を灰皿でもみ消すと、ゆっくりと椅子から立ち上がった。