知識と無意識-4
『…フタナリネット倶楽部……?』
そこにはTOPに自分と同じ体を持った女性(?)が、各所を露わにポーズを取っている画像が飾られ、フタナリについてのコンテンツが所狭しと並んでいた。
『………』
愛梨は、ごくりと息を飲んでひとつ目のコンテンツを開ける。
『フタナリとは…』そう始まる文章を目で追ううちに、今まで自分が知らなかった事実が次々と明確になっていく。
新たに知った事実と、日々の生活の中の思い当たる事柄…。
愛梨は、フタナリというまだ未知の生体を、自分の体の仕組みを衝撃的に理解して激しく動揺していた。
…私の体…
こんな…こんなことが起こるの…?
だから…さっきのことも…
だったら尚更……
外になんか………
でも………
嫌だという感情をまだ内側に秘めつつも、綴られている文章から目が離せない。
それから数時間―。
パソコンの前で色々な感情を抱きながらもおおよそのことを理解した愛梨は、これからどうしていけばいいのかわからずに途方に暮れていた。
『…どうすれば……』
何回目かのため息と同時に吐き出される言葉。
色々な仕組みやフタナリという実体について、一気に頭に入れすぎたことで思考回路が停止しそうになっている。
呆然と見るともなしに視界に入ってくるTOPに飾られたフタナリ女性(?)は、何の迷いもない眩しい程の笑顔を愛梨に向けている。
どうしてこの人は、こんな笑顔でいられるんだろう…
こんな体なのに…………
普通の女の子とは全く違うのに………
そう卑屈に思いながら、ふと女性の横に視線を移した時だった。
全て読破したと思っていた愛梨の目に、まだ見たことのないコンテンツが飛び込んできたのだ。