知識と無意識-3
『……また…』
泡に包まれてビクビクと波打つそこは、愛梨の思考に反して何かを訴えている。
嫌な気持ちが大部分を占めてはいるが、勉強好きの性格がそれが何なのかを知りたがっているのもまた事実だった。
愛梨はぎゅっと目を閉じると、泡まみれになっているその部分へ恐る恐る手を伸ばし、そっと撫でてみる。
びくっ
毎日お風呂に入っているが、こんなことを考えたり追求をしたい気持ちは始めてで、自分が自分ではないような怖い気持ちと嫌な気持ちが混ざりながらも、その手を止めようとはしなかった。
さわ…さわ…
パジャマの上からよりもダイレクトに伝わる刺激は、愛梨に衝撃を与えるには十分すぎる程のもので、そこから先は頭で何かを考える余地すらなくなっていった。
『…ぅ…ん…はあっ』
撫でるようにしていた片手に、もう片方の手を加え、両手で挟むようにした愛梨は、その手を優しく優しく左右に振るようにしてみる。
『ぁ…あ…っ、あ、あ、あ…』
さっきよりも痺れる腰に、たまらなくなって今度は両手を上下に動かしてみる。
『あぁ…っ』
激しい刺激に驚きながら、手を休められずに続けていると何かが突き上げる感覚を感じて思わず声を上げる。
『あっぁあっ…くるっ』
ビュクッビュクッ
立ち上がった中心から白濁とした液体が飛び出して、震える足と腰を支え切れずに椅子にへたり込む愛梨。
『はあ…っはあ…っ』
何…今の…………
手のひらについた泡と粘り気のある白濁を呆然と眺めながら、ついさっき感じた衝撃を思い出す。
『…………』
腰がムズムズとするような不思議な感覚に違和感を覚えながら、はっと我に返るとそのモヤを振り払うように急いで全身を流し、バスルームを出る。
自室に戻った愛梨は、パソコンを立ち上げると検索を始めた。
さっきの体験は何だったのか、どうしても知りたくて仕方がないのだ。
色々なワードを打ち込んでは出てくるサイトを片っ端から読んでいくと、あるひとつのサイトに辿り着く。