派遣社員 千鶴子-5
その日、俺たちは会社をサボって体を貪りあった。千鶴子は抱くほどに美しさを増し、俺のペニスは信じられないほど何度も硬さを取り戻した。ホテルを出たのは深夜だった。
帰り道、千鶴子が不安そうに語り出した。
「課長。後悔いているなら・・・ 忘れてしまってもいいですよ・・・」
「千鶴子は、忘れたいのかい?」
「課長が忘れても、私は覚えています。ずっと、ずっと覚えています。」
なら、俺も忘れない。」
「本当ですか? なら、また、会ってくれますか? 私、課長に迷惑は掛けませんから、だから、だから、また、会ってくれますか?」
「ああ、千鶴子さえよければな。」
どうなるかは分かっていた。俺には、千鶴子を都合よく利用することは出来ないし、その皺寄せを妻に押し付けることもできない。千鶴子と関係を続ければ、破滅するしかないのだ。それも近い将来、俺は全てを失い、そして最後は千鶴子にさえ棄てられるだろう。それでもよかった。もう少しだけ、千鶴子の傍に居られればそれで良かった。
「課長。会社でエッチなことしようとか考えてませんか?」
「それは、考えるだろうな?」
「まあ!」
千鶴子が明るく笑った。今は、その笑顔だけで十分だった。
終