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一枚の写真
【初恋 恋愛小説】

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ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃん-2

「俺達なら、かまいませんよ。なぁユキ?」
ヒロ兄ちゃんはユキ姉ちゃんのほうを見て言った。
「うん!」
ユキ姉ちゃんも頷いてくれた。
「でも....」
母は躊躇っていた。ヒロ兄ちゃんが私のほうに近づいて来て、しゃがみこんで、私の目を見て、
「美香ちゃん、本当に俺達と行く?お父さんもお母さんも行かないんだよ。淋しくなっても我慢出来るかな?」
「うん!ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃんが一緒なら大丈夫だよ。」
「じゃぁ約束だよ。」
ヒロ兄ちゃんは右手の小指を立てた。私も右手の小指を立てて、ヒロ兄ちゃんと指切りをした。
「そういう事なんで、明日美香ちゃんを連れて行きます。いいですか?」
ヒロ兄ちゃんは立ち上がって、母のほうを見た。
「ヒロ君もユキちゃんも、美香の事なんか気にしなくてもいいのよ。二人だけで楽しんでいらっしゃいョ。そのほうがいいでしょう?」
「奥さんのほうこそ気にしないで下さい。美香ちゃんさえ良ければ、私達はかまいませんよ。ネッ!ヒロ?」
「ああ!そうですよ!」
母のまだ躊躇っているようだったが、
「じゃぁ明日迎えに来るからね!!待っててね美香ちゃん!!」
ヒロ兄ちゃんがそう言って、私の頭を撫でた。
「あっ私お弁当作って来るからね!!」
ユキ姉ちゃんがそう言うと、
「本当に?それは楽しみだなぁ。」
ヒロ兄ちゃんが嬉しそうに言った。
「私も楽しみにしてる。」
私がそう言うと、
「あまりプレッシャーをかけないでよ.....」
ユキ姉ちゃんが不安そうに言うと、
「大丈夫だよ。ユキの作った物は凄く美味いから。俺が保証する。」
「ヒロ君はユキちゃんの作った料理食べた事あるんだ!」
「ハイ。ユキは凄く料理が上手ですよ。」
「ちょっとぉヒロ!!あまりハードルを上げないでくれる?」
「ゴメン、ゴメン。でも楽しみにしてるよ!」
「うん!頑張る!」
「じゃぁ俺達はこれで....お先に失礼します。お疲れ様でした。」
「美香ちゃん明日ね!!」
そう言って二人は帰って行った。
「美香明日はヒロ君やユキちゃんに迷惑かけちゃ駄目よ!それから我が儘も駄目よ!約束出来る?」
「うん!それじゃぁ行っていいの?」
「ええ」
「やったぁ」
私は飛び上がって喜んだ。本当に嬉しかった。
「美香明日はヒロ君やユキちゃんのいう事をちゃんときくのよ。」
母は心配なのか再び念をおした。
「はぁい。」
私の心はすでに明日に飛んでいた。


「美香ちゃん!!迎えに来たよ。」
ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃんが一緒に来た。
「美香ちゃん行こう!」
ユキ姉ちゃんが左手を差し出した。
「はぁい。」
私はユキ姉ちゃんに駆け寄りユキ姉ちゃんの手を握った。
「それじゃぁ行って来ます。」
ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃんは父と母に頭を下げた。父は慌て、
「ヒロ君これ....少ないけど....」
封筒を差し出した。
「いいですよ。」
ヒロ兄ちゃんは封筒を受け取らなかった。
「そんな訳には....」
「いつも良くしてもらってますから、本当にいいですよ。」
ユキ姉ちゃんも断った。
「美香、ヒロ君とユキちゃんのいう事をちゃんときくのよ。」
母が再び念をおした。
「はぁい。」
私が返事をすると、二人のほうを見て、
「美香が我が儘を言ったら、遠慮しないで叱ってね。」
「ハイ」
ユキ姉ちゃんはそう言うと、私のほうを見て、
「大丈夫だよね!美香ちゃん!!美香ちゃんはいい子だもんね?」
笑顔で言った。
「うん!」
私も笑った。


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