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愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

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愛しのお菊ちゃん9-4

ミスコンの会場はけっこうな賑わいになっていた。

「ねぇ…お菊ちゃん、出てみようよ!」
僕はもう収まんない感じ。

「な…なれど…」
顔を真っ赤にしながらも少しは興味があるみたい。

よし!もうひと押し。
「せっかくのお祭りだし…楽しんでいこうよ!僕も直ぐ側にいるから」

「と…俊樹さまがで…出ろと…おっしゃるなら」
俯いてモジモジと身体をくねらせているお菊ちゃん。
何にしても華やいだ感じには心が惹かれてるみたい。

「じゃあさ…出てくれる?」

「なれば…」
キリッとした顔でミスコンの舞台を見つめるお菊ちゃん。
その気になったみたい。

よし!目指せ優勝だ!
「はい!はい!出ます!出ます!」
僕はお菊ちゃんの手を引いてエントリーしに向かった。


壇上にはミス『お江戸ランド』候補の女の子が次々に紹介されて出てくる。
中にはお菊ちゃんと同じ様な格好をしている子もいるけど。
ほとんどの人が普通の格好だ。

『さあラストは!エントリーナンバー9!柏田菊ちゃん!』
司会者の紹介の声に合わせて。
舞台のソデでからチョコチョコとお菊ちゃんが歩み出てきた。
極度の緊張に包まれてるみたいだけど…。
その顔がまた逆に可愛い!

それは観客の人たちに伝わっているみたい。
ドォォォォォって地響きの様な歓声がそれ雄弁に物語ってる。

でも、お菊ちゃんの名字…柏田って言うんだ。
初めて知ったぁ。

舞台の中央に進みでたお菊ちゃん。
ニコリともしないで眉をしかめ、困った様にみんなを見つめてる。
そして…。
「き…菊と申し上げます!」
深々と頭を下げてる。

ワァァァァァァァァァァ!――。
その不器用そうなところがかえって大ウケ、凄い歓声だ。

『お菊ちゃんはおいくつですか』
お菊ちゃんと呼びながらマイクを向ける司会者。
ん〜ん、なかなかお菊ちゃんの魅力の引き出し方を知ってるみたい。

「きょ…享年…二十三にございます」
極度に緊張した様子のお菊ちゃん。

わぁ!享年って言っちゃったけど…。
観客の人たちはワイワイと沸きまくってる。
なんか…みんな間違いとか、ジョークとしか捉えてないみたい。


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