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愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

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愛しのお菊ちゃん9-3

「さぁ食べて」

「俊樹さまこそお食べ下さい」
大好物を目の前にしても、まずは僕の事を立てるお菊ちゃん。
さすがは江戸時代の女の子だ。

でも僕だって…女の子に尽くす現代の男の子だ。
何とも楽しい譲り合いで…。
僕はみたらし団子をひと串、手にすると甘辛醤油ダレがタップリかかったその先をお菊ちゃんの口に向ける。
「さぁ…食べさてあげるよ」
ニコニコと目を細める僕。

ちょっと戸惑った様な顔をしながらも、譲り合いに根負けしたのか。
お菊ちゃんが頬を赤らめながら、お団子の一個目をパクって口に含む。
目尻を下げて美味しい顔のお菊ちゃん。
モグモグとお団子を噛んでる。
そして僕の真似をして…。
「俊樹さま…どうぞ召し上がって下さい」
お団子をひと串、手に取ると僕の口に向けてきた。

「うん!」
僕も最高の笑顔のまま、お団子をパクっ。
う!うまい!メチャクチャうまい!
「おいずぃぃぃぃい!」
テンション上がりまくりの僕。

「誠に美味しゅうござまいます」
食べ終えたお菊ちゃんも、ややタレ目を細めて。
ホッペが落ちそうな笑顔。

「本当においしいねぇ」
僕とお菊ちゃんは続けてお団子を食べさせっこして一皿平らげた。


「お客さん…このパークの係員ではなく、お客さんですよね?」
僕とお菊ちゃんがお団子を食べてまったりしていると。
お茶屋の看板娘に扮した『お江戸ランド』のスタッフの人がニコニコと話しかけてきた。

「は…はい」
なんだろ?ちょっと警戒しちゃう僕。
お菊ちゃんも気持ち驚いた様に看板娘さんを見つめている。

「よろしければ…中央の広場で行われるミス『お江戸ランド』コンテストに出てみませんか?お客さんなら優勝も狙えますよ」
ちょっと細い目を更に細めて愛嬌たっぷりに笑う看板娘。
なんか正に看板娘って感じ。

けど…そう言う事かぁ!
もちろん僕は満更なんてもんじゃない。
だってお菊ちゃんの可愛らしさを周りの人も認めてるって事だよ。
嬉しくない訳がない。
お菊ちゃんだったら絶対に優勝だよ…って思いながらお菊ちゃんを見たら。

お菊ちゃんはまだポカーンってしてる。

そっか…ミスコンなんて判んないよね。
「ちょ…ちょっと一緒に考えますね」
僕は看板娘さんに愛想良く答えると…ミスコンのビラを受け取り。
お会計を済ませた。

「あの方は何をおっしゃっていたのでしょ?」
お茶屋さんを離れるとお菊ちゃんが訝しげに尋ねてきた。
誇らしげな僕は…。
「器量良しを比べるお祭りがあってね…お菊ちゃんが出れば一番になれるんじゃないかって」
出来れば、お菊ちゃんを出してあげたい。

「そ…そんな…わ…わたくしは…」
お菊ちゃんは真っ赤になってオロオロしまくっている。

本気で可愛い!可愛すぎる!これは出たら本当に優勝するな。
「ね!とにかく行ってみよ!」
僕はニコニコとお菊ちゃんの手を引いてミスコンの会場に向かった。



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