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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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奴隷編 奉仕者-6

**――**

 夜とあってどこも人気は無い。警備が薄いのは奉仕者の脱走が無いためだろう。
 この神殿は聞くところによると孤島にあるらしく、四方海に囲まれている。脱走したところで、下界には凶悪なモンスターがいるとされ、死ぬか殺されるかの違いしかないらしい。
 まさにあるのは絶望のみ。改めてそう思うが、それゆえに友人を救いたい気持ちが強くなったのかもしれない。
 薄暗い廊下を通り、道なりに進む。リョカが兵舎に入るのはこれが初めてだった。
 ヘンリーをどうやって助けるべきか悩む。もし彼が縛にあったとして、それを逃がせば当然幇助した自分も罪に問われるだろう。場合によっては彼らの閨にいる全員が連座制として咎められるかもしれない。
 単身飛び出したことを後悔し始めるリョカだが、それでも何かせずにはいられないと、早歩きになっていた。
 廊下の奥、明かりと音が漏れている。同時に胸騒ぎがする。過去、囚われたヘンリーは気丈にも堪えていたが、それは女が手加減していたからだろう。容赦のない男の腕力で振るわれる鞭を耐えられるはずも無い。
 ――ヘンリー、無事でいてくれ……。
 無理な願いをしつつ、リョカは人の気配のする部屋のドアの前まで来た。
 そして、こっそり中を伺う……。

 部屋の中では木に縛られたヘンリーがうなだれていた。胴衣のいたるところが破れ、額、腕、足、胴と、いたるところから血が流れており、時間が経ったものは固まり黒く見えた。
 ――ヘンリー!?
 焦るリョカだが、監視の数は五人。単身乗り込んで勝てるかといえば、碌な装備もなく、疲労で魔力も乏しいリョカには難しいだろう。
「おい、まだ寝るには早いぜ? おら!」
 鞭を振るう音。それはヘンリーの振るうそれに比べて数段ひょろいものだ。もともと狭い部屋で扱うべきものではなく、周りに気を遣っているせいもあるからだろうか、かなり弱々しい。だが、それが今の今まで行われ、蓄積していたと考えれば、辛く苦しいものに他ならない。
 ――どうしよう。どうすれば……。
 友人が責められている姿が見たいわけではない。こうして爪を噛む思いをするだけなら意味が無い。かといって、打開する方法もない。
 その時だった。ヘンリーと目があった。リョカは一瞬どきっと胸がなった。
 彼は顎を上げると、目を上にする。リョカもそれに倣い、上を見る。
 部屋の上部にはプロペラが絶えず回っており、外気を取り込む穴が見えた。
 リョカはひとまず隣の部屋に行くと、空気穴をよじ登り、狭い中を這いながらヘンリーのいる部屋の上部へと回った。
「どうだい? これからは真面目に働く気になったかい?」
 監視の一人がヘンリーの頬にナイフをつきたてる。そのひんやりした感触に、これまで無反応でいたヘンリーが慌てふためきだす。
「や、やめてください! 俺、反省してます! もう二度と軽口立てませんから!」
 そのわざとらしい反応にも、ようやく拷問を受ける囚人らしいと笑いが起こる。
「へっへっへ、いきなり命乞いか? 安心しろよ。お前は俺らの教団の大切な労働力なんだ。簡単には殺さねーよ」
「ひっ、ひぃ……」
 ぶんぶんと首を振るヘンリー。そして、視線を空調の穴へ向ける。
「せめて、回復させてくださいよ。俺、明日からがんばって働きますから、だから……、だから……」
「てめえに薬草なんてもったいないんだよ。俺のションベンでもかけてやるよ」
 監視の一人はズボンを降ろし、ヘンリーに対し放尿を始めようとする。


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