投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「公園の泡姫」
【その他 官能小説】

「公園の泡姫」の最初へ 「公園の泡姫」 7 「公園の泡姫」 9 「公園の泡姫」の最後へ

「公園の泡姫」-8



 午後最初の講義は、社会福祉学だった。昼食を終えた明日香が教室に入るなり、優美と目が合った。
「あら、何か臭うわね…」
 優美が鼻をクンクン鳴らし、わざと明日香に聞こえるような声で言った。
「公園のホームレスの臭いよね、これ…」
 お嬢様育ちの優美は何かと明日香をライバル視し、常々、美人で成績も良い彼女を妬んでいた。その気持ちが、ここに来て捌け口を見つけ出したらしい。
「ホント、どこから臭うのかしら…」
 なにかと優美に追随する夏希もニヤニヤ笑いながら、わざとらしく辺りをキョロキョロと見回してみせる。
 大人しい麻里子は、露骨に口には出さないものの、明日香が横を通ると、「ヒッ…」と声をあげて、思わず視線を逸らした。明日香の顔にみるみるカーッと血がのぼった。
 彼女たちは、犬飼の指示で明日香が行っているボランティア活動を目撃したのだ。それは、ソープ嬢のように自らの身体を使って公園にいるホームレスたちの身体を洗い、その性欲を満たす活動だった。
 優美が何か言い、夏希がクスクス笑う声が聞こえる。彼女たちの視線が針の筵のようで、授業が始まるまでのわずかな時間が、明日香には永遠のように長く感じられた。
 講義開始のベルから5分程遅れて、犬飼が教室に入ってきた。
「今日は、立花さんたちのグループに課題の調査結果を報告してもらいます」
 犬飼に指されて、優美、夏希、麻里子が教壇に立った。
「私たちは、公園にいるホームレスの実態と、その支援活動について調査しました」
 優美が説明し、夏希がパソコンを操作する。助手役の麻里子がセッティングしたスクリーンに、表やグラフが表示され、ありきたりの説明が20分程続いた。女学生の多くが欠伸をかみ殺しながら説明を聞いている。中には、居眠りしたり、内職をする者もいた。
「…では、最後に、私たちが公園で撮影した映像をご覧いただきます」
 ニヤッと笑った優美の合図で、夏樹がマウスをクリックした。大学の近くにある、見慣れた公園が映し出される。
「えっ、何、あれ!」
 一人の女生徒が驚きの声をあげた。ホームレスのテントに囲まれた公園の水飲み場で、裸の女が映っているのだ。
(…えっ、まさか…)
 明日香は、心臓をギュッと鷲掴みにされたように感じた。
「あ…あの人、何してるの!」
 教室が騒然となった。ホームレスたちに囲まれながら、全裸の女は、地面に横たわる男に抱きつき、淫らな動きで身体を擦りつけている。
「キャーッ!」
「いやだ!」
 女学生たちが騒ぐ声を聞きながら、明日香は祈るような気持ちで身体を固くしていた。背中に冷や汗が流れるような気がする。
(気づかないで…、私だってこと…)
 しかし、それもむなしい願いだった。
「えっ、あれ…、藤原さんじゃない!」
 誰かが声をあげ、教室にいる全員の視線が明日香に注がれた。
 映像は徐々にアップになり、男の怒張を口に咥えこむ明日香の顔が映し出された。もはや見間違うことはない。
 いたたまれなくなって教室を出ようとした明日香に、犬飼の厳しい声が響く。
「藤原さん、ここで退出したら、単位はあげないわよ!」
 その声に、明日香は力なく、椅子に腰掛けた。
 スクリーンの中では明日香が仰向けになった男の下半身に跨り、ゆっくり腰を落としていく。男根が女陰に埋まっていく様子が、つぶさに撮影されており、女学生たちが悲鳴をあげた。
「ええっ、入れちゃったの?」
 誰かが素っ頓狂な声をあげ、明日香が思わず耳を塞ぐ。
「ああっ、ああん…」
 動画の明日香が喘ぎ声をあげながら、ゆっくり下肢を動かし始めた。


「公園の泡姫」の最初へ 「公園の泡姫」 7 「公園の泡姫」 9 「公園の泡姫」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前