「公園の泡姫」-2
「どなたからでも結構ですよ。遠慮なさらずに、いらっしゃってください。」
明日香が呼びかけると、お互い顔を見合わせていたホームレスたちの中から、髪も髭も伸ばし放題になった五十歳ぐらいの男が彼女の方に寄って来た。ホームレスたちの中でも、ひときわ汚れた身なりをしている。
「じゃあ、洗ってもらおうかい。」
あたりに漂う動物園のような臭いが強くなる。思わず怯みそうになった明日香の視線の端に、犬飼の姿が目に入った。
(私、負けないわ…)
唇を噛み締めた後、明日香は優しい笑顔をホームレスの男に向けた。
「じゃあ、洗いますから、服を脱いでください。」
男は盥の側までやってきて、汚れて元の色がわからなくなったボロボロの服を脱いでいく。
「私も脱ぎますね…」
そう言って、明日香は一瞬躊躇った後、服を脱ぎ始めた。恥ずかしげに俯いたまま、カットソーを脱ぎ、スカートを脱いでいく。見ると、遠くで犬飼が頷いた。決められた手順どおりにやらなければ、補習を受けたことにはしないと、彼女から厳しく言われているのだ。
「おおっ!」
集まったホームレスたちがどよめいた。明日香は下着姿になっても、脱ぐのをやめない。男たちは目を輝かせて、彼女が裸になるのを見つめていた。
ブラジャーのホックが外され、肩紐を抜くと、お椀のような豊かな乳房が飛び出して、好奇の目に晒された。パンティーを足から抜き、生まれたままの姿になった明日香の下腹部に、逆三角形に陰毛が生えているのが見える。
「それじゃあ、まず、オチ×チ×をきれいにしますね。」
そう言うと、明日香が裸になったホームレスの前に跪く、男の股間の黒々とした茂みから、黒い怒張が天を向いて生えている。近寄っただけで、強烈なアンモニアの臭いが鼻を突いた。
顔を背けたくなる衝動に必死に耐えて、明日香は肉棒の半ばあたりを右手で握りしめ、残尿臭を放つ男の怒張に唇を近づけていった。
「失礼します…」
声をかけて、頬にかかる髪を掻き上げると、明日香はぬめ光る鈴口に舌を伸ばして、滲み出た腺液をすくいとった。そして、右手で肉棒を擦りながら、舌を出して陰茎をペロペロと丁寧に舐め上げていく。
「うっ、これはいい…」
男が快感の声を漏らす。明日香は裏筋を舐め、垢が溜まった玉袋の裏側にも舌を這わせる。
「気持ちいいですか…?」
そう尋ねながら、明日香は陰茎の先端に唇をかぶせ、口を開いてそれを頬張った。ピンク色した可憐な唇に、垢にまみれたどす黒い肉棒が入っていく。
潤んだ瞳で上目づかいに男を見て、明日香の唇が前後にすべり出した。リズミカルに胴体を擦りあげ、それに合わせて、いっぱいにくわえ込んだ口をスライドさせる。
「気持ちいいよぉ…、あんたの口…。」
男がため息まじりに言う。明日香はいっそうリズムを速め、一心不乱にしごきたてた。
「うっ…」
男は小さく呻いた途端、ブルブルッと尻を痙攣させた。明日香の口の中に生暖かい精液が放たれる。吐き出したくなるのをこらえて、明日香は生臭い精液を懸命に喉に流した。
「じゃあ、盥にどうぞ。」
男が盥に入ると、明日香は最初に男の髪を洗い、次に、スポンジに石けんをつけて、その体を洗い始めた。後の手順を考えると、できるだけきれいに洗っておきたいのだが、擦っても擦ってもボロボロと垢が出てくる。水飲み場で一時に使える水の量は限られており、体を洗うべきホームレスの数は多い。どうしても適度にきれいになったところで、終わらざるを得ない。
それでも、盥の水は真っ黒になっていた。
水道の水を洗面器に汲んで男の体を流し、明日香はにこやかに男に声をかけた。
「それじゃあ、シートにうつ伏せになってください。」
「ほい、ほい」
そう返事をする男の表情は、思いもかけないサービスを受けて、すっかり緩んでしまっている。
男が地面に敷いたブルーシートにうつ伏せで寝ころぶと、その上から抱きつくようにして、明日香が肌を重ねた。