異界幻想ゼヴ・アファレヒト-27
「んんんーっ!!」
深花はくぐもった声を上げ、空気を求めて唇を離す。
さすがに限界が近いのを痛感しているのか、蜜壺はずっと射精を促して複雑に絡み、纏わり付いていた。
上に乗った筋肉だらけの肉体は正直言って重いのだが、その重みすら今は気持ちいい。
経験不足の自分をここまで喘ぎ鳴かせたのは、外ならぬこの男なのである。
「ね……ジュリアス……」
呼吸が落ち着くまで軽い愛撫を施して熱が冷めないようにしていたジュリアスは、呼ばれたのに気づくと深花の顔を覗き込んだ。
「最後までイかせて欲しいって顔だな」
「そ、んな……」
「そんだけやらしい顔してるって事さ」
べろ、と頬を舐めてからジュリアスは言った。
「あぅ……」
そんな意地悪を言うジュリアスも頬が上気し、快楽で表情を歪めている。
「ん……」
その表情を見て、深花の体はいっそう蕩ける。
「お願……最後、まで……」
耳元に囁くと、ジュリアスは軽いキスで応えた。
細い腰を抱え……快楽の極みを目指して、本格的に肉筒をぶつけ始める。
粘着質な水音が、室内に響いた。
「んぁ、あぁっ、あんっ!」
結合を求めて自ら腰を使っていると、深花はまたあの感覚がせり上がってくるのを感じる。
「はっ……ああぁぅああっ!」
やり過ごす間もなく、またあの感覚を味わった。
それでも男の腰の動きは止まる事なく、深花を次々と頂点へ押し上げる。
「っく……そろそろ……!」
一声呻くと、ジュリアスはラストスパートに入った。
「ああああああぁ……!!」
「うぅ……っ!」
深花の中で、肉棒が弾ける。
何度も、何度も。
お腹の中いっぱいに満ちる熱い感触を味わいながら、深花の意識は遠のいていった。
誰かの話し声が聞こえて、深花は目を覚ました。
ベッドから身を起こすと、寝室の入り口にお盆を持った半裸のジュリアスが姿を現す。
「もう目が覚めたか。早いな」
深花が起きているのに気づくと、ジュリアスはそう声をかけてきた。
それからベッドサイドのテーブルに、お盆を置く。
盆の上には、水差しとゴブレットが二つ。
ゴブレットに水差しの中身……水を注ぐと、ジュリアスはそれを片手にベッドの縁へ腰掛けた。
「さんざん汗をかいて、喉が渇いたろ」
水を口に含み、口移しで飲ませてくる。
実際に喉が渇いていたし、あんなに乱れきった姿を晒した後で恥ずかしがったり拒否したりするのも馬鹿らしく、深花はおとなしくそれを受け入れた。
冷たくて甘い水を飲み干すと、深花はベッドへ横になる。
「……聞いていい?」
不意の質問に、ジュリアスは怪訝な表情を浮かべた。
「質問によるな」
「……彼らが、天敵なのよね?」
その質問には、さすがに表情を引き締める。
「ああそうだ。あいつらこそが俺達の天敵、対存在のトップだ」
ジュリアスは、髪を掻きむしった。
「つっても、今まであいつらが出張ってくる事はまずなかったんだけどな。お前に挨拶するために来たとか言ってたし……俺にも謎だ」
「あの子……私を殺すって言ってた」
深花は、ぽつりと呟く。
「あんな年端もいかない子に、あれだけ憎まれるなんて……」
ショックを受けている深花の頭を、ジュリアスは撫でた。
「……言っとくが俺達含め、あいつが神機パイロットの最年長だぞ」
それから、深花の思い違いを訂正する。