後輩は性奴隷……9-4
「はぁ〜……」
授業が終わり、喫煙場所で一服する。
右手がダルい。
「あ、先輩発見っ」
缶コーヒーのプルタブを起こしたとき、俺は結衣に発見された。
彼女の髪はいつになくストレートで、黒い髪の毛先が少し覗いた鎖骨にかかっている。
服は白いロングスカートのワンピースで、薄ピンクの半袖シャツを羽織るように着ていた。
でも顔はやっぱり童顔で、年齢相応のファッションも少し背伸びしている印象を受ける。
結衣は俺の隣に座ると、
「何飲んでるんですか?」
と訊いてきた。
「コーヒーだけど?」
「え、コーヒーって苦くないですか?」
「これは甘いやつ」
カフェオレの缶をマジマジと見つめる結衣。
「一口ください」
「あぁ、別にいいけど……」
差し出した缶コーヒーを、彼女は両手で受け取った。
「ホントだっ。これなら私も飲めます」
新たな発見をしたように結衣は小さく声を上げた。
「もう一口だけっ」
と懇願する結衣に、
「買ったろか?」
と提案するも
「これがいいんですっ」
と言い張る。
「いや、そりゃおんなじやつ買うに決まってるだろ。そこに自販あるから」
「違います。こ・れ・が、いいんです」
彼女は缶を指差して強調した。
無論、意味がわからない。
「あー……んじゃ、そ・れ・を、やるわ」
俺は新たな一本を買うべく腰を上げた。
「授業ですか?」
「いや? 4限は空き」
「え? じゃあどこに?」
「コーヒー買おうと思いまして……」
そう返すと、結衣は
「もういいです」
と呟いて、俺の座っていた所に缶を置いた。