華麗なる奴隷秘密倶楽部 第6章-1
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人気が落ちたとはいえ麗子は現役の歌手である。
全盛期は、はち切れそうな豊満な肉体と、男好きする顔だった。
歌うとき、感情を込めじっと一点を見つめ、甘く少しハスキーで
しっとりと歌い上げるあの妖艶さは、麗子の他に私は知らない。
感情が高ぶってくると、ほんのりと頬が染まり色っぽくなる。
おそらく、これからも麗子以外には現れないだろう、
彼女はそう言われるほどの女なのだ。
それは、私が思っている麗子のイメージだが、
その思いは、私だけではないと思う、もし男なら。
歌うときの衣装は、薄手のドレスをまとい、
肩や胸などを露出気味にしている麗子はセクシーである。
その衣装は自分で選んだのか、マネージメントされたものか、
それは分からないが、男達にとっては溜まらない。
麗子は、まさに男にとっては垂涎の的の女と言える。
むっちりとした弾ける肉体は、その衣装の上からでも分かる。
だが、今・・その女を私は好きなように出来る、
そう思うと私のペニスが勃起しない訳がない。
最近、良い女を相手にしていなかったので、久しぶりであり、
私の興奮度は最高潮に達していた。
しかし、わたしはS男であり、そんな気持ちを微塵にも見せず、
冷静に、クールにしてこそ私の本領が発揮出来るというものだ。
麗子の前で仁王立ちになった私のペニスは硬直し、天を仰いでいた。
それが麗子の目の前にある。
その時の私は麗子の一ファンではなく、
彼女を、これから私の思うままに従属させる男として君臨していた。
「しゃぶれ、麗子」
私の威圧した声がラブホテルの淡い部屋の中で響く。
麗子は、今までこのように男から威圧的に言われたことが無いだろう。
そんな時・・男は自然に振る舞わなければいけない。
(ごく普通に自然に、前からお前は私に従うように運命付けられているのだ)
そう思わせるような威圧と、雰囲気を持っていなければならない。
それには、多くの経験がなければならない。
まだMに目覚めていない女を従わせるには、諭すように、そして自然に。
「はい・・」
私の低く重い言葉に、麗子は魔法に掛かったように柔順になった。
先ほど麗子の手を縛ったとき、思わず拒否した彼女の頬を思い切り叩いた時、
その時から麗子は或る意味で理解したのかも知れない。
何故なら、前から私は麗子の中に潜んだM性を見抜いていたし、
麗子も私をその世界では名前が知れている男だということを
知っていたからである。
二人を結んだきっかけは、私の積極的なアプローチだったが、
いずれにしても私達の出会いは、いつかはこうなる運命だったのだ。