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愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

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愛しのお菊ちゃん4-3

「まっ!わたくしとした事が…」
顔を真っ赤にして僕からゆっくり離れるお菊ちゃん。
僕に抱きついちゃった事を誤魔化す様に…。
「し…しかし…凄いお芝居にございます…凄い物にございますね…テレビなる物は…」
一生懸命って感じでしゃべってる。
本当に可愛いなんてもんじゃない。

「ほら…これで動かすんだよ」
僕はお菊ちゃんの小さな手にテレビのリモコンを握らせてあげる。

「変わりました!お芝居が変わりました!」
満面の笑みのお菊ちゃん…嬉しそうにテレビのチャンネルを変えてる。
その画面があるバラエティで止まった。
画面の向こうではお取り寄せのスイーツをタレントたちが食べてる。
そのスイーツを目を真ん丸くして見つめるお菊ちゃん。
真剣そのものの眼差しだ。

「お腹空いてるの?お菊ちゃん」

僕の言葉にハッとした様で…。
「き…菊は…武士の子です、菊は幽霊です…お腹が空く事などありませぬ。た…ただ…かような物はいかなる味かと…そっそう思っただけにございます!」
慌てた様にいっぱいしゃべるお菊ちゃん。
食べたいんだね…スイーツ。
もう!可愛いの最上級!

「ちょっと待っててね」
僕はソファから立つとキッチンへ。
冷蔵庫の中に確か…。
あった昨日、食べたエクレアの残り。

「お待たせぇ…お菊ちゃん」
僕はお皿に乗せたエクレアをお菊ちゃんの前に置いた。

お菊ちゃんは生唾を飲み込みながらエクレアから目が離せないみたい。

「さぁ…食べて」

「い…いえ…そのような…」
モジモジしまくりのお菊ちゃん。

「いいから…食べなって」
僕は微笑みながらお菊ちゃんの手を取ると。
そっとエクレアを乗せてあげた。

「い…頂きます」
緊張と期待からなぁ…震える手でエクレアを口に運ぶお菊ちゃん。
一口…パクッと食べると。
「ふんんんんん!」
目をこれでもか見開いて僕を見つめるお菊ちゃん。
口ではモゴモゴとエクレアを味わってる。
そして…。
「なんでございましょうぉ!このおいしさ!と…止まりませぬ」
かなりのテンションでそう言うと。
二口目をパクッ。
「ふん〜〜〜ん」
鼻から美味しい息を吐きながら目や口許を蕩けさすお菊ちゃん。
すっごく美味しかったみたい。

「まだあるからどんどん食べてね!」
お菊ちゃんのそんな顔を見て…僕もとてつもなく幸せだった。


そうして僕はお菊ちゃんとテレビを見て。
お菊ちゃんが興味を持った事を色々、教えてあげて。
いよいよ寝る時間だ。

勇んでベットに入る僕。
「さあ…おいでよ」
ベットを半分くらい空けると部屋の隅に立つお菊ちゃんに声をかけた。

お菊ちゃんはまた、その場に正座すると両手の三つ指をついた。


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