後輩は性奴隷……5-1
「私、何か変なんですかねー?」
既に何杯目かわからないカルピスサワーを飲み干し、たむっちゃんはそう溢した。
「なんでそう思うの?」
と言いつつ、財布の中身を確認し、昨日下ろしといてよかったと胸を撫で上げた。
何故かたむっちゃんの恋愛相談に乗るはめになり、バイト先近くの居酒屋にいる俺。
「あれなんデス。直ぐ飽きるっていうかぁ〜……」
だめだ。
完全に出来上がってんな、コイツ。
っていうか、恋愛相談なら女の子しろよ……。
「──って、聞いてます??」
「聞いてます聞いてます」
帰りてぇ……。
「相性って何ですかぁ?」
「は?」
「言ってたじゃないですかぁ〜。相性がどうこうって」
こりゃダメだ。
俺はたむっちゃんの腕を引いて店を出た。
「あんなとこで話せるわけねーだろっ」
場所っは変わってたむっちゃんちに連れて来られた俺は、少々声を荒げて言い放った。
「何でなんですか〜?」
「言っただろ? 『体の相性』って」
「体ぁ〜?」
たむっちゃんはベッドに上体を横たえ、俺の方に目線を遣る。
ショッキングピンクに黒い薄手の上着を羽織り、下は黒いミニスカート。
辛うじて下着が見えない状態だ。
白黒のニーハイソックスが絶対領域とやらを作り出している。
ゴスロリとパンクを織り混ぜたようなファッションだ。
「そう、カラダ」
「つまりぃ、エッチの相性ってことですよねぇ?」
「うん……」
ストレートな物言いをしてくるたむっちゃんに、多少なりとも意表を突かれる。
「じゃあ、私を襲ってみてくださいよ〜」
「いやじゃ」
即答で返してやる。
「え〜?」
「『え〜?』じゃねーよ。そもそも、襲うとか無理矢理とかってのは好きじゃないし」
なんか苛々してきた。
煙草をポケットから出そうとして、ここは俺の家じゃないことを改めて思い知る。