後輩は性奴隷……5-4
「ケツ突き出せ」
「こ、こう……ですか?」
ベッドの縁に手を突き、腰を引く真里。
なかなか肉付きのいいその尻を撫で回す。
「もっと」
「こ、こんな感じ……ですか?」
真里は膝をベッドに付き、上体を沈めた。
「気分は?」
「な、なんか、変な感じ……はんっ……」
軽く尻を叩く。
「『です』」
「は、はい……。変な感じ、です……」
傍目から見ても真里が感じているのがわかる。
「尻振ってみろよ」
俺の指示に、彼女はゆっくりとそれを始めた。
「もっと腰をくねらせて」
また軽く手をしならせると、真里は艶かしく尻を振った。
「恥ずかしい?」
「は……はぃ……」
「でも、イヤじゃない……」
「…………はぃ」
実際、真里の白い肌は熱を帯び始めていた。
時折ビクッと震える彼女の身体。
きっと、経験したことのない「快感」なのだろう。
「じゃあ、もっとハズカシイコト……しよっか」
俺の言葉を聞いた真里は、頬を真っ赤に染めてこちらに振り返っていた。
「じゃあ……」
左右に揺れる真里の尻を擦りながら次の指示を考える。
が、やはり何かが胸の奥につっかえ、それを躊躇う自分がいた。
「……ごめん」
「え……?」
「やっぱ帰るわ」
「あの、え? ちょっ……」
突然のことにしどろもどろする真里に申し訳なさを感じつつ、俺は荷物を纏める。
「んじゃ」
ドアを開け、外に出た。
彼女は何か言っていたが、その声は右から左へ抜けていく。
真里の住む学生マンションを出ると、春霞のかかった夜空が目に入った。
時刻は深夜2時あたり。
少しの肌寒さを感じつつ、最初の居酒屋を目指した。
俺の選択は、男としては失格だが、人としては間違っていないはずだ。
胸のつっかえは、きっと朱音への想いなんだろう。
以前の俺なら……朱音と再開する前の俺なら、きっと最後までやっていたに違いない。
でも今は朱音へ気持ちがある以上、真里に手を出すのは彼女に失礼な気がする。
「………………」
結衣は?
結衣にも同じように思うのだろうか。
昨日結衣を抱いたときは……?
よくわからない。
このわだかまりの正体が。
とにかく、真里を傷つけずにすんだ(のか?)ことはよしとしよう。
見覚えのある道に出て、家路を辿りながら自分の中でそう結論付けた。